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1章
意外な一面
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「.........。」
3人がじっと真子を見つめる。
(どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう...)
真子はずっと固まったまま。冷や汗が頬をつたい落ちる。
バンッ!
突然ドアが思いっきり開いて、真子は「ひょお!?」と叫んでしまった。
「すまんな妃咲!説明するの忘れてた!」
「龍王先生...。」
真子はほっとして胸を撫で下ろしてから、さっきあげた自分の悲鳴を思い出して赤くなった。
「チッ...俺の貴重な百合ちゃんとのスウィート♡タイムを邪魔しやがってえええぇ!!!」
夢見がポケットの中からスマホを取り出す。
(ずっとゲームしてたんかい)
「...。」
龍王先生はにこにこしている。
「くっそおおお!!百合ちゃんのボーナス画像見逃しちゃったじゃねえかよ!!」
「...学校でゲームしていいと思っているんですか?」
「ぴぇっ」
龍王先生は怒ると敬語になり、それがまた怖いのだ。龍王先生に怒られると、大体の子は真っ青になる。
(あーあ、ゲームなんてするから...。まぁ、私は怒られたことないけど。生徒会長だし、ね。)
真子は謎の優越感を覚えた。
「とりあえずスマホは預かっておきますね。」
「嘘だあああ百合ちゃあぁあーん!!!!マイスウィートハニー!!!」
夢見がスマホを泣きながら手放す。
「まあ、当然だな。2次元に夢中になんてなるからだ。」
黒崎が鼻で笑う。
「貴様なんだとぉ!?俺の百合ちゃんを馬鹿にしやがって!!」
「君もですよ、黒崎くん。学校に眼帯なんて付けてきてはいけませんよ。」
そう言って先生が黒崎の右眼についた眼帯に手を伸ばす。
「や、やめろおおぉ!!!そんなことをしたら、俺の右眼に宿りし漆黒のドラゴンが覚醒しちまうぅ!!!」
黒崎が必死に身をかわす。
「ぐほっ」
しかし、ゴミ箱にぶつかる。
「ぎゃっ」
その後自分の足を踏んで転ぶ。
(...えっと...)
「ほら百合ちゃんをバカにするからだぞ!」
夢見がここぞとばかりに言う。
「くっ...」
それでも右目をしっかりと抑える黒崎。
「はぁ...まあ授業の時ははずしているようですし、許すことにしましょう。」
(龍王先生が負けた...。)
「ということで、妃咲。こいつらの面倒見るのよろしくな!」
そう言って出ていこうとする先生。
「あ、あの...面倒って何を...。」
「ああ、それを言いに来たんだったな!すっかり忘れてた!」
「もう、りゅーちゃんはおっちょこちょいだねえ...。」
犬飼が龍王先生に抱きつく。
(ん!?りゅーちゃん!?え!?抱きつ...え?)
「だから、その呼び方はやめろって...。」
先生がぐぐぐ...と犬飼を引き離そうとするが、なかなか離れない。
「はあ...。妃咲、こいつらめんどくさいのわかったか...?」
本日2度目のため息をついて、真子の方を向く。
「は、はい...先生も大変ですね...。」
窓の外はもう暗くなってきている。
「よし、今日はこれくらいにして、細かいことはまた明日いろいろ話すことにしよう。解散!」
(やっとか...。早く帰ってマジョマリ見たい...。)
「先生、俺のスマホ!」
「ああ、しばらく預かっておくことにした。」
あっけらかんと言う先生。
「ええええええ!?そんなあぁあ!!!」
夢見が灰になっているのを横目に、真子はスクールバッグを背負うのだった。
3人がじっと真子を見つめる。
(どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう...)
真子はずっと固まったまま。冷や汗が頬をつたい落ちる。
バンッ!
突然ドアが思いっきり開いて、真子は「ひょお!?」と叫んでしまった。
「すまんな妃咲!説明するの忘れてた!」
「龍王先生...。」
真子はほっとして胸を撫で下ろしてから、さっきあげた自分の悲鳴を思い出して赤くなった。
「チッ...俺の貴重な百合ちゃんとのスウィート♡タイムを邪魔しやがってえええぇ!!!」
夢見がポケットの中からスマホを取り出す。
(ずっとゲームしてたんかい)
「...。」
龍王先生はにこにこしている。
「くっそおおお!!百合ちゃんのボーナス画像見逃しちゃったじゃねえかよ!!」
「...学校でゲームしていいと思っているんですか?」
「ぴぇっ」
龍王先生は怒ると敬語になり、それがまた怖いのだ。龍王先生に怒られると、大体の子は真っ青になる。
(あーあ、ゲームなんてするから...。まぁ、私は怒られたことないけど。生徒会長だし、ね。)
真子は謎の優越感を覚えた。
「とりあえずスマホは預かっておきますね。」
「嘘だあああ百合ちゃあぁあーん!!!!マイスウィートハニー!!!」
夢見がスマホを泣きながら手放す。
「まあ、当然だな。2次元に夢中になんてなるからだ。」
黒崎が鼻で笑う。
「貴様なんだとぉ!?俺の百合ちゃんを馬鹿にしやがって!!」
「君もですよ、黒崎くん。学校に眼帯なんて付けてきてはいけませんよ。」
そう言って先生が黒崎の右眼についた眼帯に手を伸ばす。
「や、やめろおおぉ!!!そんなことをしたら、俺の右眼に宿りし漆黒のドラゴンが覚醒しちまうぅ!!!」
黒崎が必死に身をかわす。
「ぐほっ」
しかし、ゴミ箱にぶつかる。
「ぎゃっ」
その後自分の足を踏んで転ぶ。
(...えっと...)
「ほら百合ちゃんをバカにするからだぞ!」
夢見がここぞとばかりに言う。
「くっ...」
それでも右目をしっかりと抑える黒崎。
「はぁ...まあ授業の時ははずしているようですし、許すことにしましょう。」
(龍王先生が負けた...。)
「ということで、妃咲。こいつらの面倒見るのよろしくな!」
そう言って出ていこうとする先生。
「あ、あの...面倒って何を...。」
「ああ、それを言いに来たんだったな!すっかり忘れてた!」
「もう、りゅーちゃんはおっちょこちょいだねえ...。」
犬飼が龍王先生に抱きつく。
(ん!?りゅーちゃん!?え!?抱きつ...え?)
「だから、その呼び方はやめろって...。」
先生がぐぐぐ...と犬飼を引き離そうとするが、なかなか離れない。
「はあ...。妃咲、こいつらめんどくさいのわかったか...?」
本日2度目のため息をついて、真子の方を向く。
「は、はい...先生も大変ですね...。」
窓の外はもう暗くなってきている。
「よし、今日はこれくらいにして、細かいことはまた明日いろいろ話すことにしよう。解散!」
(やっとか...。早く帰ってマジョマリ見たい...。)
「先生、俺のスマホ!」
「ああ、しばらく預かっておくことにした。」
あっけらかんと言う先生。
「ええええええ!?そんなあぁあ!!!」
夢見が灰になっているのを横目に、真子はスクールバッグを背負うのだった。
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