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74.友、来たる-2-
しおりを挟む「ようこそお越し下さいました、シェリル様」
「久方振りだな、サユキ殿」
「そうですわね。こうしてシェリル様と顔を合わせるのはお養母様が主催したお茶会の時以来でしょうか」
「その時のお茶会に出ていたキャラメルラテとスイートポテトは美味であった」
特にバニラというあの甘い香りは私を魅了して止まぬ!
お茶会に参加した令嬢達がサユキ殿を讃えていたぞ
「嬉しゅうございますわ」
客間では紗雪とシェリルが、どこそこのワインは今年は良質だの、小麦と野菜と果物は豊作だの、金細工と銀細工は可愛らしく年頃の少女に人気だのといった領地に関する話題だけではなく、村を襲ったゴブリンの集団を冒険者パーティーが討伐しただの、アンデッド系モンスター・・・ドラゴンゾンビの討伐に向かった一つの隊が全滅しただの、アンデッド系モンスターを倒すには回復薬はどれくらい用意すればいいのか?光魔法の使い手はどれくらい必要なのか?
シェリルの問いに対して紗雪が答えるという感じで話をしていた。
「サユキ殿の話、参考になった。他の令嬢や戦いを知らぬ異世界人ではこうはいかぬ」
「令嬢も異世界人も戦う術を身に付けていないのですから・・・。シェリル様の憂いが少しでも取り除けて良かったですわ」
「憂い、か・・・。確かにそうかも知れぬな」
「シェリル様?シェリル様が私にお聞きしたかった事・・・地方都市と魔物の討伐ではなく本題は別の所にあるのでは?」
「そう、だな・・・。実は結婚して三年以上経っている私の友人の事なのだ。私の話を聞いて欲しい」
明確な答えは出せないと前置きした上で紗雪はシェリルの話に耳を傾ける。
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