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閑話8.ミルクパン粥と卵とじうどん-2-
しおりを挟む『今日はこれをクーくんに飲ませて』
『これは?』
『赤ちゃん用のミルクと哺乳瓶』
ベッドで寝込む前に熱に魘されている紗雪がレイモンドに渡したのは、ネットショップで購入した哺乳瓶と液体ミルクだった。
『この紙パックに入っているミルクを哺乳瓶に注ぐだけでいいの』
「ふぇっ・・・」
「クーくん・・・?紗雪が、ママが病気で寝込んでいるからママのお乳は飲めないんだよ。だから今日はママが用意してくれたミルクを飲もうな」
(異世界にはこんな便利なものがあるのだな~)
ぷいっ!
そんな事を考えながらレイモンドは泣きぐずっているクローヴィスを抱えながらミルクを与えようとするのだが、今日は大好きなママのお乳を飲めないと察したのか、乳飲み子はミルクを飲む事を必死になって拒絶している。
「クーくん?クーくんがミルクを飲んでくれないと紗雪の、ママの病気は治らないんだよ?」
「うぇ・・・」
だが紗雪と食欲には勝てないのか───遂にクローヴィスはレイモンドが手にしている哺乳瓶からミルクを飲んだ。
ケプッ・・・
ミルクを飲んで腹が満たされたのか、クローヴィスがうつらうつらと舟を漕ぐ。
「クーくん・・・お休みなさい」
レイモンドが揺り籠に寝かせたクローヴィスの頭を優しく撫でる。
その顔は我が子の成長を見守る父性と慈愛に満ち溢れていた。
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