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69.ブラックソルトとオムライス-7-
しおりを挟む「これは美味そうだな」
「あのシードラゴンの肉がレイモンド殿の手にかかると斯様な料理になるのじゃな・・・」
「あたし達、旦那様と奥様に買って貰ってよかったね」
「うん」
主食はプルメリア島の米で炊いたご飯、トマトスープ
サイドディッシュは玉ねぎとジャガイモにチーズを加えたオムレツ
ほうれん草の緑・トウモロコシの黄色・人参のオレンジ
色鮮やかな野菜にミルクソースとシードラゴンの白
王宮での昼食か夕食として出していてもいいレベルの料理にクリストフ達が感嘆の声を上げた後、食事前の祈りを捧げるとレイモンドが作ったシードラゴンのソテーを食べ始めた。
「見た目がささみに似ているけど、身の柔らかさと脂の乗り具合は鶏肉というより鯛に近いのね」
シードラゴンの肉は初めて食べたけど、淡泊だからどんなソースにでも合わせやすくて美味しいと紗雪が呟く。
「うめっ!ぱぁぱ!まぁま!」
「野営の時は塩焼きにすればいいわね。レオルくん?」
「もしかして・・・シードラゴンの肉をもっと食べたいの、かな?」
「んっ」
「レオルくん?レオルくんがシードラゴンのお肉を食べてアレルギー反応が出るかも知れないと思ったから、今日はこれだけしか用意していないの」
「えっ?」
両親の言っている事を理解したのか、レオルナードは泣き出してしまう。
「レオルくん!明日!シードラゴンのお肉を使った料理は明日に食べようね!」
アレルギーでない事が分かったので次からはちゃんと用意するという紗雪の言葉が分かったのか、レオルナードはピタッと泣き止んだ。
「レオルナードはまだ赤子なのにサユキ嬢の言葉を理解しておるし、味も分かるのじゃな」
「将来はレイモンド殿のような料理人になるのかのぅ?」
「美食家になるのかも知れぬのぅ」
「いや。レオルナードは古の神話に出てくる英雄を彷彿とさせる男になるのやも知れぬな」
味が分かる赤子の将来が楽しみだと、クリストフとソフィーが紗雪に抱っこされているレオルナードに触れる。
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