397 / 451
69.ブラックソルトとオムライス-3-
しおりを挟む日課である散歩の帰りに市場のスパイス売り場へと向かった紗雪とレオルナード。
「いらっしゃいませ。カフェ・ユグドラシルの女将さんと坊ちゃんじゃないですか。何にしましょう?」
そんな二人を店主が営業スマイルを浮かべて接客し始める。
「硫黄・・・卵の匂いがする香辛料か塩を扱っていますか?」
「はい?女将さんは卵料理に適したスパイスが欲しいという事でしょうか?」
そういう意味ではなく卵の匂いがするスパイスという意味で聞いたのだと、紗雪が店主の問いに答える。
「卵、ねぇ・・・」
そんなスパイスがあるのだろうか?
店主も腕を組んで首を傾げる。
「・・・・・・うちにはないね~」
「そうですか・・・」
ブラックソルトは黒い岩塩で胡椒に見えるからスパイスとして扱われていると思っていた紗雪は力を落とす。
(洋の東西を問わず、昔は塩って高価だったもの。大きな商店でないと扱っていないかも知れないわね)
黒い岩塩となれば産地が限られるだろうし、更に王侯貴族しか使えない高価な品ではないだろうか?
「サユキ嬢」
「クリストフ陛下!?」
「久し振りじゃのぅ、白「ソフィー・・・?「ではなくサユキ嬢」
落ち込んでいる紗雪に声を掛けたのはクリストフとソフィーだった。
「お久し振りです。クリストフ陛下、ソフィー王妃」
ロードクロイツに来ると分かっていたら臨時休業をしたのにと、紗雪が二人に対して軽口を叩く。
「サユキ嬢、何かあったのか?」
「実は・・・詳しい事は後で話します」
そう言った紗雪は二人を自宅へと招く。
0
お気に入りに追加
411
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
聖女の姉が行方不明になりました
蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は
だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。
私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。
そのまま卒業と思いきや…?
「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑)
全10話+エピローグとなります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる