カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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閑話6・夏のバイト-1-

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※今回は紗雪が日本に居た頃、夏休みのバイトで体験した話です。オカルト要素ありです。











 時は戦国末期

 「返して!私の息子を・・・太一を返して!!」

 現在の某県と某県の境に位置する、とある村の村長の女房が狂ったかのように泣き叫んでいた。

 今年の正月に六歳になった息子が病で身罷ったからである。

 「お鶴・・・」

 村長である太助も妻と同じ思いであるが、死んだ人間が生き返るなど有り得ない事だ。

 せめて太一が極楽浄土で過ごせるようにと、太助は涙で顔を濡らしながら願いを込めて手を合わせる。

 そんな村長の屋敷に旅の法師が訪れ、夫妻にこう告げる。

 「大切な者が・・・ましてや可愛い盛りのお子が居なくなったお二人の悲しみが如何ほどのものであるか、私でも想像に難くありません」

 私がお二人の悲しみを癒して差し上げましょう

 最初は馬鹿馬鹿しいと聞いていた村長夫妻であったが、旅の法師のある一言で二人の心が揺れる。

 そして太助とお鶴は───。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆









※この時の霊剣・蜉蝣の継承者は篁 雅幸で紗雪の先祖に当たる人物。
平安末期に先祖の篁 雅就が封印した場所まで赴いて、百年以上続いている戦国の世の元凶である九尾狐と戦っている最中です。(九尾狐は時代の節目に蘇っては戦乱の世にして篁家が封印をする。それの繰り返し)
「我はただ大義名分を掲げて戦争を繰り返す人間共の心の中にある争いの本能を煽っているだけに過ぎぬ。篁の末裔よ、天女の血を引く者として、誰よりも神に近い存在であるそなた達の本音は人間など滅んでも良いと思っているのであろう?」
「そういうところだけはお前とは気が合いそうだな、九尾狐よ。正直、人間なぞ滅んでしまえと何度思った事か。だがな・・・私は、いや篁家は篁家にとって大切な者達を護る為に戦う。それだけだ!」(←基本、霊剣・蜉蝣の継承者はこれに似た考えを持っている)
本心はどうであれ自分達にとって大切な人、愛する人達を護る為に戦う。
結果としてその考えが己の使命を受け入れ、霊剣・蜉蝣の使い手としての使命を果たしている事に繋がっています。
大体こんな感じの遣り取りをしてから戦いの火ぶたが切って落とされます。
篁家と九尾狐との因縁は雅就の代からで開祖・雅臣は対峙した事がありません。その雅臣も術者に悪霊、色んな妖怪と戦っていましたけど。
和風の地下ダンジョンになっていて、九尾狐に仕える湧いてくる雑魚と中ボス達を倒しつつ奥へと進んで行く。奥にラスボスの九尾狐が居るという感じです。









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