カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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66.卵を使わないカルボナーラ-3-

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 コンロに置いている鍋に水を注いだら火を点ける。待っていると水が沸騰してきたので、そこにレイモンドが塩とマカロニ系パスタを入れる。

 茹でたパスタをザルに入れて水を切っている間、ボウルに味噌と野菜ブイヨン、小麦粉を混ぜたら少しずつ豆乳を加えて混ぜ合わせる。

 (昨日は豚肉の塩漬けを使ったが、大豆ミートでいいのだろうか?・・・いや、キノコがいいだろうな)

 コンロの火で熱したフライパンにオリーブオイルを入れたら、そこに解したキノコを加えて炒める。

 火を通すとキノコの香りがメアリアとキャスリンの鼻腔を擽る。

 フライパンに豆乳で作ったソースを加えてひと煮立ちさせたら、そこにパスタを加えてソースと和える。

 お皿に盛り付け黒胡椒をふりかけたら、昼の賄いにして試作である豆乳を使ったカルボナーラの出来上がりだ。

 ちなみに付け合わせには茄子のマリネと牛肉のソテーを用意している。

 「この匂いは・・・豆乳?」

 「旦那様、豆乳ってあれですよね?」

 「豆腐を作る時に使うやつ」

 「ああ。今から二人に試食して貰うのは卵を使っていないカルボナーラ・・・紗雪が育った日本風に表現するとすれば精進パスタって奴になるのかな?」

 この表現が合っているかどうか分からないが、卵や牛乳といった動物性食品を使っていないので、これでいいのだと思いながらレイモンドが答える。

 「この料理に卵を使っていないという事は、旦那様が仰っていたさる御方の為のものなのですね?」

 「それもあるが・・・場合によっては宗教の教えで動物の乳を口に出来ない人の為に、メニューに加えようかとも考えている料理だ」

 食事前の祈りを捧げたメアリアとキャスリンはフォークを手にするとカルボナーラを食べていく。

 「豆乳って確か独特の匂いがあったような・・・」

 「ソースはさっぱりとしている中にもコクがあって・・・」

 「サラッとしたクリームかと思っていたのにクリーミーなソースがパスタに絡んで・・・」

 牛乳で作ったソースとは違った優しい味がして美味しいとメアリアとキャスリンが声を上げる。

 「似たような賄いが続いて悪いが、夜は豆乳ではなく生クリームと牛乳で作ったカルボナーラの試食を二人に頼みたいんだ」

 付け合わせは魚のソテーと野菜スープを用意するとレイモンドが伝えると、メアリアとキャスリンは昼からの仕事も頑張るぞーーーっ!と気合を入れるのだった。










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