カフェ・ユグドラシル

閑話・セフィーリア-6-

 「レオルナード様、あたくしはきっといい奥方になると思いますわ♡」

 「子供は最低でも四人欲しいですわね♡レオルナード様に似た男の子と女の子、あたくしに似た男の子と女の子♡」
　祖父母と共にカフェ・ユグドラシルに通い詰めてレオルナードにプロポーズを繰り返す事一年

　はぁ～っ･･･

 （今日もレオルナード様は素敵ですわ♡ちょっと！そこの雌豚！あたくしの未来の夫であるレオルナード様に話しかけるなんて許せませんわ！！）

　お客さんをテーブルに案内するレオルナードの姿に見惚れつつ、自分が注文する料理を伝えている女性客に嫉妬するという器用な真似をしている孫娘にディートヘルムとセラフィーナは大きな溜め息を漏らすしか出来ないでいた。

 「お祖父様、お祖母様。実はローゼンタール公爵夫人に面白い話をお聞きしましたの。聞いて下さいます？」

 「ローゼンタール公爵夫人？フィーは未来の姑･･･いや、夫人とどのような話をしたのだ？」

 『未来の姑』という言葉で魔王なオーラを纏ってしまったセフィーリアにドスの効いた声で喧嘩上級者のメンチ切りされてしまったディートヘルムは、こういうところは間違いなく自分の血を引いているよな～と思いながらも孫娘の話に耳を傾ける。