カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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65.卵を使わないチーズケーキとアイスクリーム-3-

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 冷凍ボックスでアイスクリームを凍らせている間にレイモンドはチーズケーキ作りに取り掛かる。

 カフェ・ユグドラシルで持ち帰り出来るクッキーは卵が入っているので、今回のチーズケーキには使えない。

 土台となるビスケットを一から作らないといけないのだ。

 「レイモンド、手伝うわ」

 「ああ、助かる。ビスケットを作ってくれないか?それと父上と母上、兄上と義姉上に今回の事を伝えて欲しいんだ」

 両陛下に卵を使っていない料理の試食を店でさせる訳にはいかないからな

 レオルナードを寝かしつけた後、キッチンに入って来た紗雪にレイモンドがチーズケーキの土台であるビスケット作りと、ランスロットとエレオノーラ、グスタフとアルベルディーナへの伝言を頼む。

 「分かったわ」

 そう答えた紗雪は今回の事を書いた手紙を式神に変化させたそれを義両親と義兄夫婦の元へと飛ばす。

 冷蔵ボックスからバターを取り出した後、オーブンを温め、製菓用の小麦粉・砂糖・温くなった低温殺菌済みの牛乳の分量を量ってビスケット作りの下準備をしていく。

 ボウルに入れたバターをクリーム状になるように泡立て器で混ぜたら、砂糖を加えて更に混ぜる。

 クリーム状になったバターが入っているボウルに牛乳を分けて入れる度に泡立て器で混ぜた後、バニラビーンズを加えて更に混ぜていく。

 製菓用の小麦粉を篩いながらボウルに加えたらクリーム状になったバターと馴染ませるように粉っぽさがなくなるまで揉んでいく。

 (少しパサついているような気がするわね・・・)

 ビスケット生地の様子を見ながら牛乳を加えつつ生地がちょうどいい固さになったら、清潔な布巾に包んだそれを冷蔵ボックスに入れて寝かせる。

 三十分後

 (ビスケットの形は丸でいいかしら?・・・ってどの道砕いてしまうのだから形は何でもいいのか)

 打ち粉を振った板に冷蔵ボックスから取り出したビスケット生地を置いて麺棒で薄く伸ばし丸い型で抜いた後、生地を乗せたオーブンの鉄板を予熱しておいたオーブンに入れた紗雪は様子を見ながら焼いていく。

 待つ事約十五分

 (うん!いい色に焼けたわね)

 オーブンから焼けたばかりのビスケットをオーブンから取り出して冷ます。その後でビスケットを砕いたらチーズケーキの土台の出来上がりだ。










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