カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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64.国王夫妻の食事。そして・・・-3-

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 「旦那様、ジャイアントブラックバイソンのステーキと鯛のパスタが一皿ずつ。食後のデザートに塩バニラのアイスクリームとカフェオレ、ミルクレープと紅茶の注文が入りました」

 「了解」

 メアリアから注文の料理を聞いたレイモンドは、鯛のパスタとジャイアントブラックバイソンのステーキの調理に取り掛かる。





 三枚おろしにしてから小骨を取り除き、塩・胡椒を軽く振った鯛に小麦粉を塗す。

 コンロで沸かしたお湯が入っている鍋に塩を入れたらパスタを茹でる。

 その間に別の鍋でパスタの彩りとなる鮮やかな緑のアスパラガスを茹で、オリーブオイルを入れたフライパンで小麦粉を塗した鯛を焼いていく。

 アルデンテになったパスタを、鯛を焼いているフライパンとは別のフライパンにオリーブオイルを注いだら、そこに水・醤油・粉末昆布・パスタを入れて絡めていく。

 パスタが出来たら次に作るのはステーキだ。

 ジャイアントブラックバイソンのステーキは数量限定で出す料理と決めていたので事前に筋を切り、塩・胡椒を振り、出てきた水分を清潔な布巾で拭き取っているので後はそれを焼くだけである。

 ジャイアントブラックバイソンの脂を入れてコンロの火で熱したフライパンに肉を置いて強火で焼いていく。





 レイモンドが料理を作っている間

 「あなた・・・流石のフォンリヒテル準男爵でも卵を使わないお菓子を作るのは難しいのでは?」

 「だが、あの二人はメティス王国の国王夫妻を満足させる料理を作った。ならば卵を使わないデザートを作れるのではないのか?」

 「それとこれは別問題ではないのでしょうか?」

 「そうかも知れぬ。ただ・・・私はセフィーリアの喜ぶ顔が見たいのだ」

 セラフィーナの前に居るのは、卵を使ったケーキやタルトといったスイーツを食べる事が出来ない孫を思う祖父だった。

 「情に訴えたらフォンリヒテル準男爵夫妻は協力してくれるかも知れませんわね」

 「お待たせいたしました」

 孫について話しているうちにメアリアが、二人が注文した鯛のパスタとジャイアントブラックバイソンのステーキを持ってきた。

 「ミルクレープと紅茶、塩バニラのアイスクリームとカフェオレは食事が終わった頃にお持ちいたします」

 「今は目の前の料理を食べるとしようか」

 「そうですわね」

 食事前の祈りを捧げた後、ディートヘルムとセラフィーナは料理を口に運ぶ。











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