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63.精進料理のフルコース。またの名を大豆無双-6-
しおりを挟むスープは野菜ブイヨンと春の野菜で作ったポタージュスープ
前菜は春野菜の精進揚げ
メインディッシュは紗雪が言っていた『なんちゃってお肉のステーキ』こと豆腐ステーキ
デザートは卵とバターと乳を使わない和菓子
デイビッドが帰った後、レイモンドと紗雪は晩餐会で出す料理について話し合っていた。
「味噌と醤油と粉末昆布は今回の事情をお養父様にお話しして送って貰うとして・・・問題は精進揚げを塩か天つゆで食べるかという事と、豆腐ステーキのソースとデザートね」
メインディッシュとなる【なんちゃってお肉のステーキ】こと豆腐ステーキは豆腐から作るので問題ない。
ステーキのソースは何がいいだろうか?
トマトソースはニンニクを使うので豆腐ステーキのソースとして使えない。
「味噌、醤油、ポン酢、アボカドソース・・・。アボカドはプルメリア島から取り寄せる事になるのか。いや、こういう場合は赤ワインソースがいいのか?」
「見栄えを考えたらアボカドソースかしら?でも豆腐には味噌か醤油で作ったソースが合うと考えてしまうわ。アボカドが手に入らなかったらベリーかレモンで作ったソースになると思うけど、それって豆腐に合うの?」
「ソースは味見して相性が良かったものを選べばいいとして、デザートはバターと牛乳を使わない饅頭や大福のような和菓子?いや、茶道で出す上生菓子を出せばいい・・・のか?」
家畜や魔物の肉に魚、卵にバターやチーズといった乳製品を当たり前のように使った料理を客に提供しているレイモンドと紗雪にとって精進料理のフルコースは難題である。
二人は頭を抱えるが、ここで悩んでいても仕方がない。
「一つずつ作っていこうか?」
「そうね」
開き直った二人は精進料理を作る為、カフェ・ユグドラシルの出入り口に臨時休業の札を入り口に掲げる。
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