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56.お子様ランチ-10-
しおりを挟む「レイモンド。キャベツとベーコンのクリームパスタ一つと、お子様ランチ四つの注文が入ったわ」
「お子様ランチが四つ?」
珍しい事もあるものだと、紗雪から注文の料理を聞いたレイモンド、髪の色を除けば若い頃のレイモンドに───五十を過ぎているのに三十そこそこにしか見えない彼に対して【若い頃】という表現はおかしいのかも知れないが、冒険者として活動していた頃の父親に瓜二つの青年レオルナード、レオルナードとは双子の兄弟みたいだとよく間違えられる銀髪の青年クローヴィスが厨房からカフェスペースを覗き見る。
(彼等はあの時の・・・)
「か、母さん?大人用のお子様ランチ三つの間違いでは?」
お子様ランチ四つを注文したテーブルには四人の大人と子供が一人席に着いていたからだ。
「・・・・・・いや、レオルナード。大人用ではなく子供用のお子様ランチで間違いない」
「父さん?」
「レイモンドは彼等に対して何か思い入れがあるのではないかしら?だから、お子様ランチはレイモンドに任せてレオルナードとクローヴィスはキャベツとベーコンのクリームパスタ、レスティーナが聞いてきた料理を作って欲しいの」
「キャベツとベーコンのクリームパスタは俺が作るから、兄さんはカウンター側の席に座っている騎士が注文したカレードリアを頼む」
父と自分達が作る料理を食べに来ている客は、お子様ランチを頼んだ彼等だけではないのだ。
レオルナードとクローヴィスが、お子様ランチ以外の料理を作り始めた頃
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