258 / 427
55.トマトのパンナコッタ-8-
しおりを挟む「レオルナード、眠たいの?じゃあ、お昼寝しましょうね」
(大きくなったわね・・・)
授乳中にレオルナードがうとうととし始めた事に気が付いた紗雪が息子を寝かしつけようとしている頃
(まずはトマト特有の青臭さを消す事だな・・・)
誰だって青臭さがあるデザートなんて食べたくないだろう。
給仕達には明日試食させればいいと思いながら、レイモンドはトマトを煮詰める為の下準備を始める。
たっぷりの水を注いだ鍋をコンロの上に置いたレイモンドは火を点ける。
これはトマトの皮を剥く為のものだ。
湯を沸かしている間に、八百屋で買ってきたトマトを手にしたレイモンドはトマトの表面に浅めに十字に切り込みを入れる。勿論、冷水で板ゼラチンをふやかす事も忘れない。
沸騰してきた鍋にトマトを入れてから二~三十秒後、切った皮の先が捲れてきたので鍋から取り出したトマトをあらかじめボウルに入れておいた冷水にさらす。
(煮詰めたトマトだけのゼリーというのもつまらないような気がするな・・・。そうだ!)
何かを思い付いたレイモンドは冷蔵ボックスから牛乳を取り出すと、それを鍋に注いで弱火で低温殺菌していく。
(トマトだけのゼリーよりも、トマトの酸味と牛乳の甘味を感じる事が出来るデザートの方が紗雪は喜びそうだな)
皮を剥いて適当な大きさに切ったトマト、蜂蜜、レモン汁を鍋に入れてから火を点けると木ヘラで混ぜる。
混ぜていくうちにフツフツと煮立ってきたので、中火~弱火で煮詰めながらアクを取っていく。
煮詰めたトマトが入っている鍋に水とゼラチン、牛乳が入っている鍋にゼラチンを入れる。
ゼラチンが溶けてきたので煮詰めたトマトだけを入れた器と、ゼラチンで固めた牛乳が入っている器にトマトを入れたそれを冷蔵ボックスで冷やす。
「さてと・・・」
ゼリーが冷えるのに数時間かかる。
その間にレイモンドはキッチンを片付け、それが終わると部屋の掃除をし始めた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
396
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる