カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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55.トマトのパンナコッタ-7-

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 翌日

 「紗雪がトマトを苦手としているのは青臭さにあると思う」

 「た、確かに・・・。子供の頃はトマトの青臭さが苦手で食べるのに苦労したわ」

 「ぱぱぱぱぱ」

 小さな手をにぎにぎしているレオルナードが乗っている乳母車を押して買い物に付き合っている紗雪が当時の事を思い出す。

 今でこそ何とか食べる事が出来るようになったが、それは付き合いというものがあったからだ。

 「という事はトマトケチャップやソースを作る時のように、或いはレオルくんの離乳食のように加熱したトマトであればデザートとして使えるのではないのか?」

 確かにレオルナードの離乳食でトマトを使う時は青臭さを除く為に沸騰した湯に通して皮を剥いているし、当然ではあるが種も取っている。

 その後は適当な大きさに切ったトマトを煮詰めて裏漉ししたものを味見するのだが、青臭くないので食べ易い。

 離乳食としてペーストにする事はあってもデザートとして食べるという考えがない紗雪は、デザートになったトマトの風味を思い描けないでいる。

 「後は熟しているかどうか・・・だろうな」

 「熟しているトマトを使うのは分かるけど・・・それよりも、吸血鬼のお客さんが希望しているデザートだけど何にするか決まったの?」

 「ああ。ゼリーにするつもりだ」

 「トマトのゼリー・・・」

 (あ、味の想像が出来ないわ)

 「店主、トマトを買いに来た」

 「はいっ!ありがとうございます!」





 坊ちゃん、大きくなりましたね~

 ああ、六ヶ月だ。ずり這いが出来るようになったんだ

 坊ちゃんはお目目くりくりしているから将来は父ちゃんに似ていい男になるんだろうな~

 母ちゃんに似てもいい男になる事間違いなしだ





 トマトゼリーはトマトジュースのような味がするのかを思い描いている紗雪をよそに、レイモンドは八百屋の店主と会話しながら今回のメインであるトマトだけではなくレオルナードに食べさせる為の野菜も買っていく。











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