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51.聖女からの宣戦布告-4-
しおりを挟む王妃と侍女が酵母を登録した者を王宮に呼び寄せようと話を交わしている頃
「何と美しい・・・。私こそ神が作り給うた最高傑作・・・」
自分以外に聖女のマリカに相応しい男がいるだろうか?
いや、いない
侍女が選んだ服───典型的な王子様装束に身を包んだエドワードが鏡に映る自分の姿にうっとりとした声を上げる。
「何だ、これ?」
そんなエドワードであったが、顔に赤い斑点が出ている事に気付く。
自分は幼い頃に麻疹に罹ったはずだ。
ポーションでも飲めばすぐに治るだろうと思ったエドワードは侍女にポーションを持ってくるように命じる。
待つ事暫く
「失礼いたします」
エドワードの命令で侍女がポーションを持ってきた。
侍女に労わりの言葉をかける事なく盆に乗っているポーションを手にしたエドワードは一気に嚥下する。
これで治ったはずだとエドワードは鏡に映る自分の顔を見たのだが───斑点はそのままだった。
「もしかして、不治の病に罹った!?」
救国の英雄は美人薄命という宿命から逃れられないのか!
これも私の運命・・・
エドワードはオーバーリアクションをしながら我が身の不幸を嘆く。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
エドワードがポーションを飲んでも発疹が消えていない我が身の不幸を嘆いている頃
「な、何これ!?」
顔だけではなく身体に腫瘍が出来ていたものだから茉莉花は髪を振り乱しながら悲鳴を上げる。
「聖女様、どうかなさいましたか!?」
どんなに給料が高くして貰っても、あんな傲慢で高飛車、人を人とは思わぬ聖女の面倒など見たくない!
しかし、今の自分は聖女付きの侍女だ。
仕事は仕事としてきちんとこなさなければいけない。
そんな事を考えつつ茉莉花の悲鳴が耳に入った侍女が慌てて彼女の元に駆け寄った。
「せ、聖女様?!」
茉莉花の顔を目にした途端、彼女は腰を抜かしてしまう。
(こ、これは・・・!)
「こ、国王様!王妃様!」
聖女が性病に罹っている事を告げるべく、侍女は引き攣った悲鳴を上げながら部屋を出て行ってしまった。
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