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㊾米粉のパン-4-
しおりを挟む発酵は二回でも三回でもなく一回でいい事
カステラのように何かの型に生地を入れて焼けばいい事
水を入れる量は米粉の様子を見て調整する事
色んなパターンを試して作った米粉パンがどのような出来であったかを紗雪はメモしていく。
「どうしても生地がパサパサになるか、外郎のようになってしまうわね・・・」
製パン用の小麦粉で作るパンと同じように作らないようにしているのだが、どうしても米粉パンが美味く出来ないのだ。
「・・・・・・何かで蓋をして焼けばいいのかしら?」
(蓋・・・?米は確か──・・・)
「紗雪、蓋だ!」
「は?」
頭を抱えていた紗雪はレイモンドの一言に思わず間の抜けた声を上げる。
「だから、蓋だ。日本食に飢えていたお祖母様の為に日本の定番の朝食や豚の角煮を作った時、どうやって米を炊いたか覚えているか?」
「勿論、覚えているわよ」
研いだ白米を土鍋に入れた後、水を注ぎコンロで炊いた事を紗雪がレイモンドに語る。
「米を炊く時に蓋はどうしていた?」
「土鍋に蓋をして炊いたに・・・」
あっ
レイモンドが何を言いたいのかに気が付いた紗雪が小さく驚きの色を含んだ声を上げた。
「米粉でパンを作る時は何かを被せてから焼けばいいって事?」
「試してみる価値はあるだろうな」
「でも、何を被せるの?」
カステラを作る時に使う型にぴったりな蓋があっただろうか?
ネットショップでアルミホイルを購入すれば簡単に解決するが、それをしてしまうと彼等の為にならないような気がする。
「米粉で作った生地はオーブンではなくフライパンで焼くんだ」
フライパンに流し込んだパン生地を焼く時に鍋の蓋で被せれば、仕上がりがパサパサな食感のパンにならないのではないだろうか?というのがレイモンドの見解だった。
「紗雪、手伝ってくれ」
「はい」
二人は米粉パン作りに取り掛かる。
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