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㊾米粉のパン-1-
しおりを挟む「米を使った蒸したお菓子と言えば饅頭に粽、おはぎに外郎くらいしか思い浮かばないのですが、プルメリア島には和菓子に似たスイーツがあるのですか!?」
「多分・・・。断言出来ないけど、クリストフ陛下の話を聞く限り、どう考えてもそうとしか思えないのよ」
以前、プルメリア島の市場に行った時は煎餅に似た甘い揚げ菓子が売っていたが、饅頭や粽に似た菓子は売っていなかった。
美奈子の呼び出しで食堂までやって来たレイモンドと紗雪は彼女の話を聞いて驚いてしまう。
「そなた達が甘い揚げ菓子を買った屋台がある場所は市民街の方だな。貴族街であれば蒸した糯米に餡が入った菓子に、水と米粉を捏ねた生地に餡を包んだ菓子が売っているのじゃ」
それ等の菓子は職人の腕が物を言う季節の果物や花、動物を象っているので見る者を楽しませるかのように華やかであり、主に王族や貴族、富豪向けなので当然と言えばいいのかお値段は高かったりする。但し、使っている食材の品質と味は確かだ。
(貴族街で売っているお菓子は京菓子のように高級なものと思えばいいのかしら?)
「紗雪。お祖母様の話を聞いて思ったのだが・・・米粉でクッキーだけではなくカステラも作れないか?」
「カステラ?カステラとは何じゃ?」
「紗雪が住んでいた世界では・・・そうですね。紗雪の話によれば、今でこそ平民でも食べる事が出来ますが、昔は天皇や将軍といった特別な立場にある者しか食べられなかった甘い菓子です」
クリストフの問いに、カステラとはケーキに似た菓子の一種なのだとレイモンドが教える。
「作り方を書いた紙を「レイモンド殿、サユキ嬢。儂は米粉で作ったパンだけではなくカステラという菓子も食べてみたい!!!」
「「わ、分かりました・・・」」
「やった!ソフィーに自慢が出来る!!!」
((子供か!!))
大魔王なオーラと威圧感を全身に纏って強請られてしまったクリストフの迫力に負けてgkbrの涙目になってしまったレイモンドと紗雪は、心の中でツッコミを入れながらも米粉でカステラを作る事を約束するのだった。
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