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㊻屋台ユグドラシル、オープン-6-
しおりを挟む((だ、大魔王様!?・・・ではなく))
「「クリストフ陛「二人共、人前では儂の事をクリストフと呼んでくれぬか?」
「「は、はい・・・」」
返事した二人はクリストフに、ロードクロイツを訪れた理由を尋ねる。
「それはじゃな・・・儂もソフィーのように、お主達が作る料理が食べたいからじゃ!!!」
自分が食べた事のない異世界の美味い料理の話を毎日ソフィーから聞かされていたクリストフ。
『チーズを乗せたパンを焼いた・・・お前様が気に入っているパンは白鳥処女の末裔が住んでいた国ではチーズトーストと言うらしい。シンプルではあるが、熱を通した事で外側はカリッとしているのに内側は柔らかいのじゃ。そのパンと溶けたチーズを一緒に食べると・・・何と美味な事よ』
『甘さの中にあるチョコレートソースのほろ苦さ。濃厚な乳とバニラの香りを感じる甘くて冷たい、舌の上で溶けるアイスクリームで作ったチョコレートパフェは非常に美味であった・・・』
ソフィーの話を聞いて想像を掻き立てられた事で居ても立っても居られなくなってしまったものだから、息子のセドリックに留守を任せてロードクロイツまで来たのだと二人に話す。
((え゛っ?そんな理由でロードクロイツまで来たの?ダークエルフの長が?))
クリストフの答えに二人は呆気に取られるしかなかった。
「そこの人間と混じり者が作った料理を食べる為だけに長ともあろう者がここまで来るなんて正気じゃないわ!・・・いや、神に近い私達エルフと違って平気で肉や魚を口にするダークエルフですもの。ここに居ても不思議じゃない「二人共、儂にもフライドポテトとやらをくれぬか?」
アンネローゼに構っていたら話が終わらないと思ったクリストフはレイモンドと紗雪にフライドポテトを注文するのだが、今日は様子見という意味で百食しか作っておらず、それが全部売れてしまったので用意出来ないと告げる。
「そうか・・・」
二人の言葉にクリストフは(´・ω・`)な顔をして静かに落ち込む。
「クリストフ様・・・」
そんなクリストフの耳元で紗雪が囁く。
屋台で売る予定の、エルフでも食べられるパンを試食して欲しいと
「サユキ嬢、レイモンド殿」
((犬?・・・というより大型犬?))
紗雪の言葉に声を弾ませるクリストフに犬の耳と尻尾が生えているように見えた。
「紗雪、帰ろうか?」
「ええ・・・ちょっと待って。女エルフが落としたフライドポテトを片付けるわ」
レイモンドが店じまいをしている間、紗雪は道に落ちているフライドポテトを拾っていく。
「それ、どうするんだ?」
「豚の餌にするの」
「・・・・・・そうか。捨てるより有意義じゃろうな」
次は茶巾絞りだが、三回目は魚醤で味付けをした唐揚げがいいか、エルフでも食べられるパンがいいか
色んな事を話しながら三人はレイモンドの実家であるロードクロイツ邸へと帰る。
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