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㊹ミルクセパレーター-10-
しおりを挟む「これは・・・チョコレートソース!」
ほろ苦さと甘さを感じるチョコレートソースをかけたアイスクリームはどのような味になるのだろうか?
エレオノーラはチョコレートソースをかけたアイスクリームをスプーンで掬い口に運ぶ。
「お、美味しい~♡」
アイスクリーム単品だけでも美味しいのに、チョコレートソースをかけた事で別の味になったものだからエレオノーラの顔に満面の笑みが浮かぶ。
そんなエレオノーラを見たランスロット達も彼女に倣ってアイスクリームにチョコレートソースをかけて食べてみた。
「これは・・・」
苦さの中に甘味を感じるチョコレートソースが絡む事でアイスクリームの甘さとバニラの香りが引き立つのだ。
「ショコラには斯様な使い方もあるのだな・・・」
薬や滋養強壮としてしか飲んでこなかったショコラをデザートのソースとして使ったという事にソフィーは感心の声を上げる。
「ベルンハルト。私達がお前に魔道具を作って欲しいと頼んだ理由をこれで納得してくれたか?」
「異世界の料理を広めるにはサユキさんとレイモンドだけではなく、ベルンハルトの力も必要なの」
「・・・はい」
異世界の料理は激マズだと思っていたベルンハルトであったが、自分が食べていた氷菓よりも美味いアイスクリームを出されたら納得せざるを得ないでいる。
「俺の作る魔道具がキルシュブリューテ王国だけではなくプルメリア島の食文化の発展を促すのであれば喜んで協力します」
「ベルンハルト兄上・・・ありがとうございます」
「その代わり条件がある」
ベルンハルトは告げる。
今回の生クリーム作りのように新しい魔道具の開発を依頼する際は、その食材を使った料理を自分に試食させる事
商業ギルドでそれ等の魔道具の登録をする時の名義はベルンハルトにする事
「この二つの条件を二人は守れるか?」
「「よろしくお願いします」」
魔道具の原理の説明は出来たとしても内部構造と作る過程が分からないので、ここは魔道具作りの専門家であるベルンハルト名義で登録した方がいいような気がすると思った二人は頭を下げてベルンハルトに頼む。
「ベルンハルト様。生クリームを作る魔道具の事ですけど、急いでいませんのでベルンハルト様が抱えている仕事を終えて落ち着いた時に取り掛かっても大丈夫ですから・・・」
「ベルンハルト兄上、無理をしないで下さいよ」
「分かった。魔道具作りの専門家として良い商品を作ると約束する」
交渉成立
笑みを浮かべて手を差し出したベルンハルトと握手を交わす。
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