カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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閑話・子供達の手作り弁当とホットドッグ-2-

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 紗雪が作ろうとしていたのは、卵焼き、人参とピーマンのきんぴら、ミニハンバーグ、ブロッコリーの天ぷら、ウインナーの飾り切り、鮭フレークのおにぎりだった。

 だがピーマンは子供達が苦手なのか、キャベツの炒め物に変更となった。

 ミニハンバーグは冷凍ボックスに、ウインナーと鮭フレークは冷蔵ボックスに作り置きがあるので一から作る必要はない。

 「な、何て言えばいいのか・・・レオルナードの包丁捌きもだが、クローヴィスが卵を片手で割れるとは夢にも思っていなかったな」

 プロの料理人のようにキャベツと人参とベーコンを器用に切っていくレオルナードと、片手で割った卵をボウルに入れた後、砂糖を加えて菜箸で卵液を作るクローヴィスを見ていたレイモンドが感心した声を上げる。

 「米の研ぎ汁を捨てる時はザルを使った方がいいよ、レスティーナ」

 白くなった水をボウルから捨てる時にお米も一緒に流れてしまうからね

 ボウルに水を入れて米を研いでいるレスティーナに、レオルナードが嘗ての自分の失敗談を話しながら教える。

 「包丁捌きが上手だったり、卵が片手で割れるのは、あの子達にとってそれだけレイモンドの影響が大きいという事よ」

 子供は親の行動を真似する。

 親の背中を見て育つという奴だ。

 「レオルナード、人参とキャベツは下茹でしてから炒めた方がシャキっとした食感になるぞ」

 「はい」

 水を入れた鍋をコンロで熱した後、油と塩を入れる。下茹でした野菜で炒めた方がシャキっとした食感になるからだ。

 両親が野菜を炒める時はそうしていた事を思い出したレオルナードは、油と塩が入ったお湯に人参を入れた。

 茹でた人参が入っている鍋に千切りにしたキャベツを入れて強火で一気に茹でる。

 「楽しそうに料理を作っている今のレオルナード達は、料理を作っている時のレイモンドそのものだわ」

 「俺が紗雪の為に料理を作っているように、あの子達は俺達の為に作っているという事か・・・」

 日々成長していく子供達の姿に感慨深くなっているレイモンドと紗雪が側について見守る中、出来上がった料理をテーブルの上にある大皿に置いていく。

 (キャベツソテー・・・カレー粉で味をつけたんだ)

 幼い頃は偏食が酷かった紗雪。

 今でこそにおいがきつい料理を除けば食べられるが、カレーで味をつけたキャベツは未だに食べる事が出来ないでいる。

 原因は小学生低学年の時の給食に出されたホットドッグにあった。

 そのホットドッグにはカレーで味をつけたキャベツが入っていたのだが、外側の固い部分が入っていたので当時の紗雪はホットドッグを食べる事が出来ず泣きじゃくってしまった。

 それが原因で紗雪はホットドッグとカレー味のキャベツを未だに食べられないのだ。

 (・・・・・・・・・・・・)

 「「「出来た!」」」

 「後は、この箱に三人が作った料理を詰め込んだらお弁当の完成よ」

 食器棚から取り出した弁当箱とおかずカップに、大皿に置いていた料理を盛り付けていく。












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