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㊸甘くて冷たい豆乳粥-3-
しおりを挟む「お養父様、ただ今戻りました」
「おう!戻って来たか・・・って!お前等、何か寛いだ格好をしてねぇ?」
「私達の普段着はプルメリア島では暑過ぎますし、何より目立ちますから・・・」
砕けた口調で聞いてきたアルバートに、レイモンドが苦笑を浮かべながらラフな格好になった理由を話した。
「・・・俺だけが浮いているように見えるな」
プルメリア島の雰囲気に合わせた服に身を包んだ二人を目にしたアルバートは、ダークエルフの長と顔を合わせてから何やら考え込んでいた紗雪に話しかける。
「サユキ、気分転換になったか?」
「はい」
紗雪は紗雪で、市場でラタンの籠やバスケット等を眺めているだけでも眼福で心が浮き立った事や、屋台で売っていたお菓子はお米で出来ているらしく興味を持ったので買ったのだが大量に砂糖や蜂蜜を使っているので甘過ぎる事をアルバートに話す。
「米?米って・・・あれだよな?鰻の上に乗っていた白い粒々の奴」
「そうです。但し、うな丼の時に食べた米とプルメリア島の米は種類が違うみたいですよ」
プルメリア島の主食である米は細長く、その米を蒸したり、炊いた米をスープに浸したり、デザートにしたり、挽いた米を麺・・・パスタにして食べている事をレイモンドが教える。
「という事は、一昨日の俺が食べたパスタは米で出来ているのか・・・」
(バニラビーンズを手に入れるのは難しいかも知れないな)
レイモンドの話を聞いたアルバートは、ダークエルフが治めるプルメリア島は自分が思っているよりも食文化が進んでいるのではないだろうか?と推測を立てる。
「・・・・・・二人を見ていたら涼しそうな服が欲しくなった。帰って来たばかりのお前達に頼むのは悪いと思うが、今から買い物に付き合ってくれないか?」
(確かに)
(お養父様の格好って目立つわね)
アルバートの服を買う為、紗雪とレイモンドは市場へと向かった。
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