カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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㉝かき氷-2-

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 (かき氷も果物を盛り付けたらタルトのように華やかになるわよね?)

 日本では夏の間だけ販売しているかき氷。

 練乳とフルーツを盛り付けたかき氷をディートヘルムは喜んでくれるだろうか?

 (・・・・・・まずは、お養父様達に試食して貰って陛下が気に入ってくれるかどうかの意見が聞いた方がいいわね)

 スイカ、メロン、桃、杏、葡萄、梨、ブルーベリー、ラズベリー等・・・

 紗雪の脳裡に夏の果物が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。

 「ねぇ、レイモンド。陛下にお出しする氷菓は削った氷に練乳・・・ミルクジャムよりサラッとしている甘いソースのようなものかな?その練乳とフルーツを盛り付けたかき氷にしようと思っているのだけど、果物は何を使えばいいかしら?」

 ディートヘルムが食べられない果物は避けたい紗雪がレイモンドに尋ねる。

 「ああ見えても陛下は甘いものが好きだから、嫌いな果物というものはないと思う」

 「じゃあ、今からメロンを使ったかき氷を作るから味見をして欲しいのだけど・・・」

 「それは構わないのだが。紗雪、レンニュウって何だ?」

 「そうよ。私もレンニュウが何なのか気になっていたの」

 「レンニュウってかき氷以外のデザートにも使えるの?」

 ミルクジャムよりサラッとしている甘いソースと言っていたので、練乳がどのようなものなのかがレイモンド達は何となく想像出来る。

 だが、使い道が分からない五人は紗雪に尋ねた。

 「はい。練乳はクッキーやケーキといった焼き菓子だけではなく、肉料理と魚料理の下味やコーヒーにも使えますよ」

 今回の事が終わったら、練乳を使った料理とデザートを作りましょうか?

 「「「「「是非!」」」」」

 時間がある時で構わないので練乳を使った料理とデザートの試食をしたいと、五人は実に晴れ晴れとしたいい笑顔を浮かべて返事をする。

 (あっ・・・かき氷機を買わないと)

 かき氷を作る為に必要な機械がない事を思い出した紗雪は、ネットショップで手動のかき氷機を購入するのだった。







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