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㉜エビマヨのホットサンド-2-
しおりを挟む三日前
紗雪達が待つ【金雀枝の間】にやって来たのは、国王であるディートヘルムと側近のデイビッド。
座り心地が良く上質な素材で作った椅子から立ち上がったランスロット、アルバート、レイモンドはボウ・アンド・スクレープで、エレオノーラ、ロスワイゼ、紗雪はカーテシーでディートヘルムに頭を下げる。
(魔法が一切使えないにも関わらず、ロードクロイツ卿が貴族の養女にしてまで自分の息子に嫁がせようとしている異世界の娘・・・か)
『此度は私的な話をする為にそなた達を呼び出したのだ。面を上げよ』
ディートヘルムの言葉に従い、一同は頭を上げる。
(あの娘の雰囲気と立ち居振る舞い。元の世界では貴族・・・いや、華族と言ったか。そのような立場にあったのか?)
ディートヘルムは何人かの異世界人と顔を合わせた事があるが、彼等には紗雪のように貴族といった雰囲気など一切感じなかった。
(ロードクロイツ卿の母君の話によると、現代の日本は民主主義という民を中心とした社会であるとの事だから貴族・・・いや、華族が存在していた時代に産まれていればあの娘は貴族令嬢、だった・・・?)
元の世界ではどうであれ、今の紗雪は伯爵令嬢にしてレイモンドの婚約者だ。
『サユキ嬢、そのように畏まらずとも良い。余はそなたと話をしたいと思うておる』
『陛下のご尊顔を拝謁出来ただけではなく、こうして言葉を交わせる事、恐悦至極に存じます』
『『!!?』』
へぇ~っ・・・
『あなたが国王様?何て言うか・・・国王様ではなく、どこかのゲームのラスボスとして出てくる魔王様みた~い』
『魔王様な国王様だもん!あなたの場合は、こう・・・おどろおどろしい雰囲気?髑髏で飾った玉座に座って偉そうな態度でワインやブランデーを飲んでいる方が似合ってるってwww』
え゛っ?
『どういう事?シュルツベルク卿が養女に迎えたサユキ嬢って何か礼儀正しいんですけど!?』
『私に聞かれても困りますよ、陛下!!』
異世界人、特に若者であれば、例え相手が国王や皇帝、貴族であってもタメ口で話すのが当然ではないのか──・・・。
だって、自分を見たマスミの第一声が魔王様発言だったから。
紗雪とマスミには礼儀作法と言葉遣いという点で差があり過ぎたのだ。
衝撃の余り、背景に雷を背負って驚愕の表情を浮かべた後、慌てて部屋の片隅へと移動したディートヘルムとデイビッドは耳打ちをする。
『サユキ嬢、元の世界では良家の令嬢だったのでは?』
『やはり、デイビッドもそう思うか?』
『はい・・・』
話した事で心が落ち着いてきたのか、二人は紗雪に聖女召喚に巻き込まれてからどのように生きて来たのかを尋ねる。
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