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㉛フライドポテトとソフトクリーム-1-
しおりを挟むロードクロイツから馬車に乗る事一日
「やはり王都は人が多いですね・・・」
地方からやって来た商人
地元の買い物客
新たな依頼を求めて他国からやって来た冒険者等
グラナード、ロードクロイツ、シュルツベルクしか知らない紗雪は大勢の人で賑わっている王都を見て声を上げて驚く。
「ここは商業を中心にしている商業街。貴族街と比べたら人が多いんだ。紗雪は来た事があるだろ?」
「ええ。でも、あの時は観光気分ではなく仕事で来たから余り気にしていなかったの」
仕事が終わったら自分には関係ないとばかりにグラナードに戻った紗雪はレイモンドの言葉にそう答えた。
「あなた・・・あの屋台だけ随分と列を成していますわ。何を売っているのかしら?」
エレオノーラの瞳に飛び込んで来たのは行列だった。
「大人だけではなく子供も並んでいるのだな・・・」
王都では列を成してでも欲しいと思えるものが売っているらしい。
「何を売っているのか分からないが・・・買ってみるか?」
「ええ」
「ロードクロイツ侯爵?侯爵夫人?王宮へ行かなくてもよろしいのですか?」
自分達が王都に来た目的は、国王にアフォガートとカステラを食べさせる為のはずだ。
それなのに、こんな所で道草を食っていていいのだろうか?
「王城へは明日に伺う事を既に陛下には伝えている。紗雪殿はレイモンドと王都の見物を楽しんだらどうだ?」
「遊んでもよろしいのですか?」
「勿論よ。婚約しているからといって何もしなければ互いの信頼関係を築けないわ」
デートでもして互いの絆と親睦を深めるのも大切よ
国王との約束は明日なので今日は楽しんでも罰は当たらないだろう。
「お言葉に甘えて。ですが、その前に・・・」
あの屋台で売っているものを買ってからレイモンドと王都を観光する事にします
エレオノーラのアドバイスにそう答えた紗雪はレイモンドと共に列に並ぶ。
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