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⑲シュルツベルク家-2-
しおりを挟む「シュルツベルクで獲れた魚で料理を作って欲しい、か・・・」
その場に居合わせていたレイモンドは腕を組んで何やら考え込む。
「侯爵家に居た頃か、冒険者として何らかの依頼を受けたレイモンドさんだったらシュルツベルクに行った事があると思うのだけど、そこではどんな魚が獲れるの?」
作るにしても、どのような魚が獲れるのかを知らなければ意味がない。
ロードクロイツ夫妻との対談を終えた後、客室ではなくレイモンドと共に厨房へと向かった紗雪が尋ねる。
「海老・鯛・マグロ・メカジキ・鰯・鯖・鮭・ムール貝・アサリ・イカ・タコ・牡蠣・ホタテ・ロブスター・・・挙げればキリがないが、シュルツベルクは漁業都市として有名だから、紗雪殿が知っている魚は獲れると思ってくれたらいい」
「でも、魚料理が不味いのね?」
「ああ。塩漬けや燻製だけではなく煮たり焼いたり揚げたりするのだが・・・」
香辛料を沢山使うので、どうしても単調でスパイシーな味付けか、塩辛くなってしまうのだと教える。
「ソテーした白身魚に生クリームソースをかけた料理がいいかしら?でも、生クリームは高級素材なのよね」
「海の幸を使ったパスタはどうだ?」
「レイモンドさんの案、採用!パスタに使う海の幸を考えていたらシーフードフライも捨て難いような気もしてきたわ・・・。よく考えたら、タルタルソースって生卵を使うから避けた方がいいわね」
「タルタルソースはマヨネーズがベースになっているから、フライ系は止めた方がいいだろうな」
何だかめっちゃ美味しそう!
レイモンド坊ちゃん、サユキさん。是非、試食したいです!
二人の話を聞いているだけで空腹を感じてしまった料理人達は、思わず唾を飲み込むのだった。
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