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⓪序-1-
しおりを挟むキルシュブリューテ王国のロードクロイツに建つカフェ・ユグドラシルでは、今日も朝から獣人族やドワーフ、魔族のみならず店の存在を知った人間の客で賑わい注文が飛び交う。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
緑の匂いを含んだ爽やかな風が吹く朝から店内は客で賑う。
「ママさん、ハニーバターのモーニングとチーズトーストのモーニングを一つずつ」
「俺はホットサンドのモーニング一つとベーコンエッグのモーニングを二つ」
「私はスクランブルエッグのモーニングをお願いします」
「はい。ご注文、承りました」
客の注文を受けたママがそう答えるとマスターに伝える。
待つこと暫く
「お待たせしました。ハニーバターのモーニングとチーズトーストのモーニング、ホットサンドのモーニングとベーコンエッグのモーニング二つ、スクランブルエッグのモーニングです」
ママが客のテーブルに料理を持ってくる。
「柔らかい白パンと、人間の国のお貴族様でさえ滅多に口にできない蜂蜜をふんだんに使うなんて贅沢なトーストだな」
「とろけるチーズのコクときつね色に焼けた白いパンの香ばしさ・・・。この店の飯は本当に美味ぇな」
「やっぱ、カフェ・ユグドラシルのモーニングを食べないと、一日が始まらないわ~」
王侯貴族や金持ちしか口にできない蜂蜜や砂糖をかけたパンやコーヒーを口にしている兵士達にお得意先のオネエ、冒険者として活動している竜人族や人狼族達がマスターの作った料理に舌鼓を打つ。
「マスター・・・いや、レイモンドさん。ベーコンとチーズのホットサンドと豚ロースのカツサンド・・・それから牛フィレのカツサンドとやらをそれぞれ五つずつ作ってくれ。持ち帰りでな」
「はい、畏まりました」
カウンター席に座っている一人の傭兵が注文した料理を聞いたマスターのレイモンドが慣れた手つきで作っていく。
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