カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

文字の大きさ
上 下
1 / 454

⓪序-1-

しおりを挟む









 キルシュブリューテ王国のロードクロイツに建つカフェ・ユグドラシルでは、今日も朝から獣人族やドワーフ、魔族のみならず店の存在を知った人間の客で賑わい注文が飛び交う。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 緑の匂いを含んだ爽やかな風が吹く朝から店内は客で賑う。

 「ママさん、ハニーバターのモーニングとチーズトーストのモーニングを一つずつ」

 「俺はホットサンドのモーニング一つとベーコンエッグのモーニングを二つ」

 「私はスクランブルエッグのモーニングをお願いします」

 「はい。ご注文、承りました」

 客の注文を受けたママがそう答えるとマスターに伝える。

 待つこと暫く

 「お待たせしました。ハニーバターのモーニングとチーズトーストのモーニング、ホットサンドのモーニングとベーコンエッグのモーニング二つ、スクランブルエッグのモーニングです」

 ママが客のテーブルに料理を持ってくる。

 「柔らかい白パンと、人間の国のお貴族様でさえ滅多に口にできない蜂蜜をふんだんに使うなんて贅沢なトーストだな」

 「とろけるチーズのコクときつね色に焼けた白いパンの香ばしさ・・・。この店の飯は本当に美味ぇな」

 「やっぱ、カフェ・ユグドラシルのモーニングを食べないと、一日が始まらないわ~」

 王侯貴族や金持ちしか口にできない蜂蜜や砂糖をかけたパンやコーヒーを口にしている兵士達にお得意先のオネエ、冒険者として活動している竜人族や人狼族達がマスターの作った料理に舌鼓を打つ。

 「マスター・・・いや、レイモンドさん。ベーコンとチーズのホットサンドと豚ロースのカツサンド・・・それから牛フィレのカツサンドとやらをそれぞれ五つずつ作ってくれ。持ち帰りでな」

 「はい、畏まりました」

 カウンター席に座っている一人の傭兵が注文した料理を聞いたマスターのレイモンドが慣れた手つきで作っていく。





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

聖女のおまけです。

三月べに
恋愛
【令嬢はまったりをご所望。とクロスオーバーします。】  異世界に行きたい願いが叶った。それは夢にも思わない形で。  花奈(はな)は聖女として召喚された美少女の巻き添えになった。念願の願いが叶った花奈は、おまけでも気にしなかった。巻き添えの代償で真っ白な容姿になってしまったせいで周囲には気の毒で儚げな女性と認識されたが、花奈は元気溌剌だった!

召喚聖女に嫌われた召喚娘

ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。 どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。

妹と寝たんですか?エセ聖女ですよ?~妃の座を奪われかけた令嬢の反撃~

岡暁舟
恋愛
100年に一度の確率で、令嬢に宿るとされる、聖なる魂。これを授かった令嬢は聖女と認定され、無条件で時の皇帝と婚約することになる。そして、その魂を引き当てたのが、この私、エミリー・バレットである。 本来ならば、私が皇帝と婚約することになるのだが、どういうわけだか、偽物の聖女を名乗る不届き者がいるようだ。その名はジューン・バレット。私の妹である。 別にどうしても皇帝と婚約したかったわけではない。でも、妹に裏切られたと思うと、少し癪だった。そして、既に二人は一夜を過ごしてしまったそう!ジューンの笑顔と言ったら……ああ、憎たらしい! そんなこんなで、いよいよ私に名誉挽回のチャンスが回ってきた。ここで私が聖女であることを証明すれば……。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

お飾りの聖女は王太子に婚約破棄されて都を出ることにしました。

高山奥地
ファンタジー
大聖女の子孫、カミリヤは神聖力のないお飾りの聖女と呼ばれていた。ある日婚約者の王太子に婚約破棄を告げられて……。

三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~

鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。 大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。 見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。 黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…? 対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈 
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

幼女エルフの自由旅

たまち。
ファンタジー
突然見知らぬ土地にいた私、生駒 縁-イコマ ユカリ- どうやら地球とは違う星にある地は身体に合わず、数日待たずして死んでしまった 自称神が言うにはエルフに生まれ変えてくれるらしいが…… 私の本当の記憶って? ちょっと言ってる意味が分からないんですけど 次々と湧いて出てくる問題をちょっぴり……だいぶ思考回路のズレた幼女エルフが何となく捌いていく ※題名、内容紹介変更しました 《旧題:エルフの虹人はGの価値を求む》 ※文章修正しています。

処理中です...