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しおりを挟む「ジェラルディン嬢、私と結婚して下さい」
(私の好みは背景に無意味なキラキラを背負っている白馬の王子様的なイケメンではなく、鋼のように鍛え抜かれた肉体と雄っぱいを持っている幾つもの戦場を潜り抜けてきた厳ついゴリマッチョなのに・・・)
ホワイト公爵家の令嬢は、今日も懲りずに地位と財産目当てに自分を妻にしようと求婚してくる貴族子息や貴族当主に対して心の中でウンザリしていながらもそれを面に出す事なく溜め息を漏らす。
令嬢の名前はジェラルディン。
ホワイト公爵家の令嬢にして、吟遊詩人や画家が【月は恥じらい、花は閉じる】【月の女神のように凛としていながら楚々とした美姫】と称える程の美貌と教養を兼ね備えている完璧な美女でもある。
そう。見た目だけは才色兼備という言葉が似合う女性なのだが、人並外れた身体能力(某超A級スナイパーを思い浮かべてくれたらイメージしやすいかと)とゴリラ並みの怪力を持つだけではなく中身は親父という実に残念な女性でもあるのだ。
公爵家の姫として育ったジェラルディンは、人前では己の感情を巧みに隠す事が出来るので表面上は天使のような笑みを浮かべた彼女は彼等に対して穏やかな口調で断りの返事を入れる。
(姉上・・・嫁に行ってくれないかな~?)
ホワイト公爵家では日常の光景と化してしまった、ジェラルディンに振られてしまった求婚者達が背景に陰々鬱々なオーラを背負って去って行く様を自室から眺めている男が心の中で呟く。
男の名前はアーノルド。
ホワイト公爵の息子でジェラルディンの弟、そして次期当主という立場の青年である。
身内であれば面と向かって言えると思うのだが、アーノルドはそれが出来なかった。
何故なら──・・・。
(いや、あのゴリラで親父な姉上を嫁にしようと思う強者なんていねぇわ!)
愁いを帯びた美女と化しているジェラルディンを見て溜め息を漏らしたアーノルドは思いを馳せる。
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