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①聖女、追放される-2-
しおりを挟む修道院とは祈りと信仰と労働を基本としている、修道士や修道女の生活の場である。
神の僕たる者、清貧たれ
神の教えを広め、悩み迷える民を施し救いの手を差し伸べよ
民と共に悩み、そして共に歩め
それがオケアドル王国における教会の教えである。
だが、それを実行している者は一部だけで、上層部に至っては皆無だったと言っても過言ではなかった。
頂点である女教皇のマーリナをはじめ司教や司祭だけではなく一部の・・・元貴族子女である修道士と修道女までもが、何かと理由を付けて集めた金銭で爛れた生活を送っていたのだ。
無知で無教養な平民も馬鹿ではない。
自分達が神の為にと寄付した金がこのように使われていると知った彼等は、教会の奇跡と教えのみならず全てに対して疑いの目を向けるようになった。
これはやばい!
このままだと自分達は、見目麗しい男女を漁ったり、贅沢三昧な日々が送れなくなってしまう!
危機感を抱いたマーリナはオケアドル王国各地の司教と司祭にある事を命じた。
貴賤は問わない
神の奇跡を起こす者を探し出せ
時間は掛かったが教会側は、ある旅人親子を見つけ出した。
両親と思しき男女は非常に美形で、幼い娘は母に似て絶世の佳人になる事が予想出来る少女であった。だが、来ている服から察するに、彼等の身分は平民だと思われる。
彼等は教会の頂点に立つ女教皇のマーリナですら浄化するのに長い時間を要するゴーストを一瞬で倒したり、治癒魔法に秀でている司教が数人がかりでないと治す事が出来ない重傷を完治させた。
これぞ正に神の御業!
一騎当千という言葉が相応しい両親は手強いし、何より手懐けるのは難しいそうな気がする。
しかし、娘はまだ幼い。
育て方次第で彼女は自分達にとって非常に都合のいい道具になってくれるだけではなく、王族に輿入れさせれば教会が国政に入り込める可能性があるのだ。
貴方方のお嬢さんは百年・・・いや、千年に一度現れるかどうかの存在だ
我等が歴史に名を残す聖女として育てるので、娘さんを引き取りたい
こんな感じで両親を言い含めた司祭達は、娘───マルガレーテを教会へと連れて行く。
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