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しおりを挟むこれはチリペッパー王国での生活が落ち着いてきた時に聞いた話ですが、勝手に私との婚約を破棄しただけではなく、ご自分のギャンブルや買い物のツケを婚約者に払わせていたという事実を知った国王は、ディック王子に子供が出来ないように措置した上で王籍から抜いた後、エリー嬢と夫婦になるように命じたのだそうです。
王命で夫婦になったのですから離縁など認めれません。
これは陛下の親心なのでしょうか?
そんなお二人に陛下は結婚祝いとして、土地とお城を贈ったのだとか。
ですが陛下から賜った土地は痩せていて作物は実らず、何百年も打ち捨てられ今では廃墟と化してしまっていたお城は手入れされていないので、嘗ては訪れた者の目を楽しませていた庭園は荒れ果て、室内は蜘蛛の巣が張っているだけではなく百足をはじめとする虫やネズミといった動物の棲み処となっていたのだそうです。
「エリー!貴様のような阿婆擦れとは離婚だ!その後はマカロンと結婚する!!」
「それはこっちのセリフよ!あんたは金払いがいいから金持ちだと思っていたから言い寄ったのよ!まさか、あんたの今までの買い物やギャンブルといった遊びのツケをマカロン様が全て払っていたなんて夢にも思っていなかったわ!!」
あんたのようなヒモと一緒に暮らさなければいけないあたしの方こそが不幸よ!!!
お金がない故に人を雇えない二人は幽霊が出そうな廃墟の手入れをしようとしたのですが、国王と二番目の王妃に甘やかされて育った第二王子・・・いえ、今は平民なのですから元第二王子ですね。
ディックに家事全般が出来るはずなどがありません。
ならば平民として育ったエリー嬢であれば家事全般をこなせるのではないか?と思うのですが、彼女は無類の男好きで貴族子息が好きな時に楽しんでいた娼婦です。
そんなエリー嬢に家事が出来る筈がありません。
クズ+ゲス+パワハラ+モラハラ+ギャンブル狂いという人間として生きている価値がない元第二王子は、王命で奥方となったエリー嬢と顔を合わせる度に毎日激しく言い争っているのだとか・・・。
晴れて自由の身となった私は、国王と二番目の王妃から支払って頂いた慰謝料と私が元第二王子の為に立て替えた代金で小さな屋敷を購入して自由気ままなスローライフを楽しんでいますわ。
結婚?
この世の男性全てがクズ+ゲス+パワハラ+モラハラ+ギャンブル狂いでない事は分かっております。
ですが元第二王子が原因で結婚しようと思っておりません。
生涯独身でも構わないと思っていたのですが・・・そんな私が生涯を共にするハイスペックな殿方と出会うのは、そう遠くない近い未来の話です。
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