私とよりを戻したい?異世界で娼婦をしていた女に夢中になっている男などこちらから願い下げですわ!

白雪の雫

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3話

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 離縁の手続き

 契約不履行に対する損害賠償請求

 私に対する慰謝料請求

 そして堕胎手術

 全ての問題を解決した後、実家を出た私はファッション関係の仕事に就きました

 下積みから始まり、師匠に認められた事でチーフデザイナーとなり、遂に自身のブランドを立ち上げるまでになったのです

 忙しいけれど充実した日々を送っていたある日

 襤褸を纏った男が店に足を踏み入れるなり、私を呼べと従業員が報告してくれました

 顔に髪、ボロボロになった服に手足が汚れていたので誰なのか分かりませんでしたが、王子様を思わせる男の顔には見覚えがありました

 女の敵・・・ではなくスコルピオ伯爵家の嫡男であるガイルです





 「ティアナ!エリナ・・・あの女には私以外の男が居たのだ!しかもあの阿婆擦れが産んだのは私の子供ではなかったんだ!!」





 私が自分から問い質していないにもかかわらず、女の敵ガイルは私と離縁してから何があったのかを語り始めたのです





 自分の側に居るのは愛するエリナと、エリナとの間に産まれた可愛い子供

 エリナは秘書として夫である自分の政務を手伝い、時には自分に変わって伯爵家を取り仕切る

 女の敵ガイルは真実の愛で結ばれた愛しいエリナと幸せな日々を送れる夢を見ていたのだそうです

 しかし、実際は・・・

 自分が居た世界と比べたら娯楽が遥かに少ない世界での生活はエリナにとって苦痛でしかないらしく、ストレス発散に靴にドレスにアクセサリー等を買い漁る

 伯爵夫人であるにも関わらず政務を手伝ってくれないし、屋敷を取り仕切ってもくれない

 最悪な事に娼婦だった頃の馴染みの客達を屋敷に招いては己の身体と引き換えに金品を貢がせる

 「私の子供を身籠ったから、私はエリナを身請けしたというのに・・・!!だが、その子供は私の特徴を何一つ受け継いでいなかったのだ!!!」

 女の敵ガイルは金髪碧眼

 エリナは黒髪黒目

 産まれた子供は赤髪金眼

 両親の特徴を何一つ受け継いでいなかったものですから、子供が我が子ではないと悟った女の敵ガイルはエリナに慰謝料とこれまでに彼女が買い漁った金品の代金を一括で伯爵家に支払えという公文書にサインさせた上で離縁を言い渡したのだとか・・・

 金遣いの荒い阿婆擦れのエリナを追い出したというのに両親は自分をスコルピオ伯爵家から勘当したとか愚痴を零す女の敵ガイルですが、それ・・・赤の他人である私にとって何の関係もない話ですわよね?

 内心ウンザリしている私をよそに女の敵ガイルは語り続けます











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