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2話
しおりを挟むエリナとは黒髪黒目を持つ小柄な異世界の女性です
詳しい事は私にも分かり兼ねるのですが、彼女のように何らかの拍子で異世界人が迷い込んでくる事象が度々報告されます
エリナが育った国は平和であるらしく、異世界人は戦う術を持っていないのです
そんな異世界人が死と隣り合わせの騎士や冒険者になる事が出来ると思いますか?
エリナが元の世界では兵士だったというのであれば冒険者、料理人だったのであれば食堂で雇って貰えたのでしょうが、聞くところによると彼女はNo.1キャバ嬢だったそうです
キャバ嬢というのは殿方の相手をして気分を良くさせる女性の事を指すのだと、時には客となった殿方と閨を共にする事もあるのだと、昔は騎士団長、今はジュエリーデザイナーとして名を馳せている元王弟殿下・・・今は臣下となったトラヴィス=ヴァルゴ公爵が教えて下さいました
実は私、ゴリマッチョなヴァルゴ公爵の事を一人の殿方としてお慕い申し上げているのですが・・・って話が逸れてしまいましたわね
そんなエリナが生きて行く為に性的な仕事に就く事になっても不思議ではないでしょうし、殿方の扱いに長けている彼女に女の敵が夢中になるのも当然と言えましょう
女の敵はエリナが働く娼館に日夜通い詰めてはドレスや宝石を貢ぎ、金が必要な時だけ屋敷へと帰って来る
名前だけとはいえ夫婦である私達が顔を合わせる事もございません
それが当然になってから三ヶ月が経った頃でしょうか
悪阻に眠気・・・私に懐妊の兆候が現れました
子供の父親は言うまでもなく女の敵です
たった一度だけしか夜を共に過ごしていないはずなのに懐妊するのですね・・・
後は子供を産みさえすれば伯爵夫人としての義務は果たしたと言えます
何時もは一人で屋敷に戻って来るはずなのに、今日の女の敵はエリナと腕を組みながら私の前に立っていました
「私の子供は真実の愛で結ばれているエリナとの間に産まれる子供だけだ。お前との子供は要らない。今すぐにでも堕ろした上で離縁して欲しい」
私が子供を宿した事を報告した後に、女の敵はある衝撃の事実を告げたのです
「分かりました」
結婚した当初から女の敵の事を見限っていた私です
表面上は夫に裏切られて傷ついた妻の顔をしつつ、心の中では「ヤッフー!!!」と喜びの声を上げて実家のライブラ公爵家へと戻ったのでした
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