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10話
しおりを挟む「そ、それで・・・?聖女と兄弟になっちゃった攻略対象者達と国王と聖女?っていうかビッチ?はどうなったんだ?」
(((っていうか王妃って元はそっち系の人!?)))
今日のおやつであるワッフルをフォークとナイフを使って食べ易い大きさにカットした銀河がマリーアントニアに尋ねる。
「陛下とミッシェル殿下・・・いや今のミッシェル様は王族ではなく平民以下の存在になったから何と言えばいいのかのぅ?罪人?奴隷?ともかく婚約者だった罪人?奴隷?に身を落とした男は子供を作れない身体にした上であたくしに対して慰謝料を払うようにと王妃様から命じられたのじゃ」
ちなみに陛下もあたくし達に対して慰謝料を払うようにと王妃様から言われておる
最初は嫌だと拒絶したが、スマフォの動画を再生すると途端に大人しくなり、マリーアントニアに慰謝料を支払う事に同意したのだそうだ。
この話には続きがあり、イオ、ゼルク、ラジュエルの三人は婚約者達に、清華はマリーアントニア、テレジア、アグネス、ビアンカに対して慰謝料を払うように王妃が命じたのだが、ここは乙女ゲームの世界。
言うなればヒロインである自分の為の世界だ。
聖女である自分が悪役令嬢達に慰謝料を払うのはおかしいと主張していたのだが、王妃の往復ビンタを顔が別人レベルになるレベルで食らった事でようやくここが【乙女ゲーム】ではなく【乙女ゲームに似た現実世界】なのだと認識したらしい。
世界を崩壊へと導こうとした危険人物としてイオ、ゼルク、ラジュエルはミッシェルと同様に子供を作れない身体にしてから奴隷という身分に身を落とし最前線へと送られ、清華は女性という事で鉱山と最前線に送られなかったものの、動画を見る限り男好きな女だと判断を下した王妃が『殿方との交合が好きな女に相応しい天国(ばしょ)へと送ってやる』というセリフと共に聖女を年季明けのない娼婦として娼館に売り飛ばしたとの事だ。
「シオン様、ミサト様、ギンガ様には本当に世話になった。感謝する」
また遊びに来る
その時は【しふぉんけーき】とやらを用意して欲しいのだ
頼んだぞ!
三人に礼を告げたマリーアントニアが大量の荷物が入っている段ボールを抱えると同時に、あの時のように彼女の身体と荷物が光の粒子となって消えていく。
「親父、お袋・・・。マリーアントニアが魔王にならなくて良かったな・・・」
「ええ」
「マリーアントニア殿の無事を祝って・・・ではないが、西崎さんも誘って今日の夕食は【みちしお屋】で済ませるとしようか」
「「やった!」」
紫苑の言葉に美沙都と銀河が歓声を上げる。
今日の夕食作りから解放される~♡
サーロイン御膳もいいけど、天ぷら御膳も捨て難いな~♡
外食できる喜びを見せる妻と息子の姿に『幸せってこういう事を言うのだな~』としみじみ感じている紫苑の耳に聞き覚えのない女性の声が入って来た。
「失礼だが、ここは一体どこなのだ?」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
何の前触れもなく出現した黒髪美女に沈黙する三人であった───。
※黒髪美女もまた若い頃の美沙都がプレイしていたBLゲームの登場人物の一人で位置づけとしては悪役。
攻略対象者の一人である人物の王妃で主人公(誰かが護ってやらないといけないという儚げな雰囲気を纏っている華奢な美人さん♂。政治のイロハも分かんないし武芸も護身術も使えない。一言で言えば足手纏いのヒロインのような存在。言うまでもなく受け)から見ればライバルになります。
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