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9話
しおりを挟む『う、嘘よ!これはデタラメよ!誰かが・・・そう!聖女であるあたしを陥れる為にマリーアントニアが仕掛けた罠よ!!!』
ミッシェルの腕の中に居る清華は髪を振り乱しながらそう叫ぶが、当事者である攻略対象者達と国王はというと、聖女が阿婆擦れだったという事実にショックを受けていた。
『それはございません。このスマフォなるものは異世界の神々から頂いたもの。聖女様は人間である我等に神器が記録したものを弄れるとお思いなのですか?』
『そんなのはアプリがあれば動画だって編集が出来るわよ!!!』
『そうなのですか?異世界の神々は動画を編集する術をあたくしに教えて下さりませんでしたわよ?』
『嘘よ!』
怒鳴るようにそう言った清華はマリーアントニアから携帯を奪い取る。
そして───
『動画は消してやったわ!ミッシェル様!陛下!今すぐ!この無礼な女達を国外追放しちゃって!!!』
この女達を魔王にしないと、あたしが王妃になれないじゃないわ!!!
あたしの逆ハーが作れないじゃない!!!
証拠隠滅した事で落ち着きを取り戻したのか、清華が国王とミッシェルに訴えるのだが、聖女の男好きに呆気に取られている五人を尻目にマリーアントニアは王妃の前に進み出ると、聖女が奪い取ったスマフォとは別のスマフォを手渡す。
『これは聖女様がミッシェル様をはじめとする多くの殿方達と交歓している場面をあたくしが撮ったものです』
『マリーアントニア嬢、感謝する。そなたにとって悪いようにはせぬ。陛下・・・』
歯ぁ食いしばれや!
ゴルァーーー!!!
浮気がバレ恐れ慄いた表情で玉座に腰を下ろしている国王の襟首を掴んだ王妃は夫に対して往復ビンタを食らわせる。
『お、王妃・・・す、済まぬ・・・。わ、私が、悪かった・・・。ゆ、許して、くれ・・・』
『女の敵を許す訳ねぇだろうがーーーっ!!!』
グーパンでテメェの自慢の顔を殴らなかっただけでも感謝しやがれってんだーーーっ!!!
国王が涙目になっているというのに、それでも怒りが鎮まらないのか、イケオジは王妃から炸裂する往復ビンタを何度も食らっては許しを請うていた。
『おい、馬鹿息子。次はテメェの番だ。こいつ以上にボッコボコにしてやるから・・・覚悟しとけよ?』
『は、はぃぃぃぃぃぃ!!!!!』
王妃の迫力に気圧されてしまった男達の阿鼻叫喚の悲鳴が王宮に響き渡るのだった───。
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