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王妃になった男爵令嬢-9-
しおりを挟む一国の王太子が男爵令嬢を愛妾ではなく妃として迎えようとしている事に国王夫妻は反対したが、博学多才で立ち居振る舞いに礼儀作法等、全てにおいてスピカは完璧だった。
素質は王太子妃として相応しくても問題は後見人である。
後見について話し合った結果、嘗ての婚約者であるヴィンフリーデの実家である公爵家の養女として迎え入れる事で解決したので、晴れてスピカは学園を卒業後、王太子妃になった。
そこまではいい。
だがそこでスピカに誤算が生じた。
王太子妃になる=周りがチヤホヤする=贅沢が出来るという理屈でハンターから貰った薬を飲んでヴィンフリーデとスキルを入れ替えたまでは良かったものの、どこそこの国の王太子夫妻と外交を兼ねた会食だの、孤児院や病院施設の訪問だのという風に多忙な日々を送っているのに、周囲からは世継ぎとなる男子を産めと無言にして遠回しな圧力を受けているのだ。
しかし産まれたのは王女だったものだから、王子を産めないスピカは王太子妃に相応しくなく、新たに側妃を迎えるべきだという声が周囲から上がっている。
それだけではない。
薬を飲んだ日からスピカは美容とお洒落には人一倍の努力はするが、王太子妃として情報を仕入れたり、言語を覚えるといった努力を何一つしていないのだ。
つまりスピカは自国のみならず他国の王侯貴族との会話についていけなくなっていたのだ。
国王夫妻から王太子妃失格の烙印を押されたスピカは病に罹ったという理由で離宮に追いやられ、アーデルベルトは新たに高位貴族の令嬢を側妃として迎え入れる事となった。
アーデルベルトは側妃との間に優秀な子供達を儲けただけではなく、側妃だった令嬢を正妃とし穏やかな生涯を送る事になる。
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