魂の花

白雪の雫

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王妃になった男爵令嬢-6-

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 「スピカ=クラウン!貴女は一体何を考えているのです!?」





 座学のみならず実技の授業をサボるわ

 理由を告げずに勝手に外出するわ

 ヴィンフリーデ様という婚約者がおられるアーデルベルト様に言い寄る行為は不敬にして無礼です!

 貴族令嬢ともあろう者が阿婆擦れの真似事をするとは・・・





 (嫁き遅れのおばさんと、たかが公爵令嬢でしかない女があたしに説教なんて生意気なのよ!)

 寮監と寮長に対して怒りを抱くスピカであったが、それも自分がアーデルベルトの婚約者になれば立場が逆転するのだ。

 それまでの辛抱だと自分に言い聞かせたスピカは謝罪をしつつ二人の言葉を聞き流す。

 「スピカ=クラウン!次に学園の規則を破ったら有無を言わさず退学ですからね!!」

 「はい・・・」

 心の籠っていない返事をしたスピカは自分の部屋に戻ると学園に行く準備をするのだった。





 「アーデルベルト様~♡」

 ((また来たか!!))

 王太子であるアーデルベルトと彼の婚約者であるヴィンフリーデは未来の国王と王妃として感情を表に出さない術を身に付けているはずなのだが、何度注意しても言い寄って来るスピカに対してだけは怒りと苛立ちを隠せないらしい。

 「アーデルベルト様~♡」

 露骨に嫌がっているアーデルベルトとヴィンフリーデに気付いていないのか、気付いているのを知った上で無視しているのか、スピカは王太子の腕に自分の胸を擦りつけたりしてアピールしていた。

 「スピカ様、よろしいでしょうか?」

 自分の婚約者に言い寄るなどヴィンフリーデにしてみれば気分の良いものではない。

 ヴィンフリーデはスピカに対して貴族には民が安寧に暮らせるようにする義務がある。

 スピカも貴族なのだから、アーデルベルトに淫らな行為をして言い寄るのではなく高貴なる者の義務を果たす事を学園で学んで欲しいと優しい口調で幼い子供に言い聞かせるように注意する。

 ふんっ!

 「分かったわよ!」

 本当は授業を受けたくないのだが、問題を起こしたら退学になると寮長に注意されているのでここはグッと堪える。

 今夜にでもハンターから貰った薬を飲もうと決意したスピカは教室へと向かう。














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