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⑩告白された・・・ので逃げる-6-

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 「お待たせいたしました」

 二人を出迎えた男性スタッフが注文した料理を持って来る。

 「いただきます」

 「いただきます?ナオミ殿、それはナオミ殿の国の習慣なのか?その言葉に何か意味があるのか?」

 パールディア王国には食事の前に祈りを捧げる事はあっても、手を合わせて『いただきます』という言葉を口にする事はない。

 気になったディーフリードは奈緒美に尋ねる。

 「簡単に言えば『いただきます』は私達を生かしてくれる食材に対しての感謝を捧げる言葉です」

 ディーフリードの問いにそう答えた奈緒美はカップを手にすると紅茶を口に運ぶ。

 (タワーマンションにアスファルト、そして『いただきます』という言葉。やはりナオミ殿は異世界人であると思った方がいいのだろうな・・・)

 「この紅茶、すっきりとした後味をしているから飲みやすいですね」

 デザートのパイも生地はサクサク。フルーツとカスタードの甘味が一つに調和していて美味しいと、奈緒美はディーフリードが注文してくれた料理を綺麗に平らげていく。

 互いに育った国の文化に風習だけではなく、仕事に趣味、格闘技などについても話し合った後、カフェを出た二人はアームズの町でも特に有名な名所を巡り歩く。





 「ナオミ殿、今日は楽しかった」

 「私もです。ディーフリードさんが騎士で剣術が得意。しかも格闘技をマスターしている事が知れて良かったです」

 「今日のように会ってくれないだろうか?」

 「はい」

 名所を観光した後、ディーフリードが予約していた店で夕食を食べた二人は、もう一度会う約束を交わすのだった。







※仮にディーフリードお勧めの料理が不味かったとしても奈緒美はそれを言葉に出す事なく、また面に出さずちゃんと食べる事が出来る女子です。








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