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⑨その頃の三人娘-2-
しおりを挟む異世界・聖女・魔法が使える・帝国・皇帝・宮廷魔術師などという風に乙女ゲームを連想させるキーワードがあるが、ルヴァンは乙女ゲームではなく現実の世界だ。
当然、婚約破棄とか悪役令嬢が断罪されるといったイベントが発生するはずがなく、煌びやかなドレスに身を包みイケメン達に囲まれていると言うのに何となくだが綺羅々達は面白くないと不満を抱いていた。
のだが───。
「メシマズ・・・」
「塩と胡椒を多く使い過ぎ・・・」
「デザートは見た目が芸術なのに砂糖の塊みたいな感じだから甘い・・・」
「高血圧と糖尿病になりそう・・・」
「味覚が破壊される・・・」
「こんなの毎日食べていたらメタボ体型一直線・・・」
「く、苦しい・・・」
「ドレスがゴワゴワしてて着心地が悪い・・・」
と言うより料理が不味いわ、コルセットが苦しいわで綺羅々達はそんな事を考えている余裕がなかったのだ。
パーティーを終えた次の日
「うわっ!」
「何!?」
「聖女様!どうか聖女様のお力で魔王を倒して下さい!」
パレードの時に乗る豪華な馬車に乗っている綺羅々達は、歓声を上げる民達に見送られながら魔王討伐へと旅立つ。
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