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⑧エステティシャンと第三王子-2-
しおりを挟む(これは・・・!?)
蒸しタオルで手を拭った後、触れている箇所から流れ込んでくるのは奈緒美の魔力。
女の白い指が男の無骨な指を引っ張ったり、手首を回転させたり、ディーフリードの様子を見ながら掌のツボを押したり、筋肉を押したり揉んだりして解していく。
(何だろう・・・?店主殿の魔力が注がれると・・・身体だけではなく心までもが癒される)
川の水の流れを塞いでいた大きな岩が取り除かれたかのように、血液がスムーズに流れる事で手の緊張が解れ、溜まっていた疲れがどこかへ消えてしまったのをディーフリードは身を以て感じたのだ。
(店主殿は意識的に魔力を流しているのか?それとも・・・)
もし無意識に魔力を流しているとしたら、彼女は己の魔力をコントロールする術を学ぶ必要がある。
(よく見ると・・・店主殿って好みのタイプで・・・って!俺は何を考えているのだ!?)
「お客様、終わりましたよ」
奈緒美の言葉に我に返ったディーフリードは手を動かしてみた。
「軽い・・・」
何時もより軽く感じる己の拳を握ったり開いたりしてマッサージ効果を実感していた。
「店主殿、またマッサージを受けに来ても良いだろうか?」
「勿論です。またのお越しをお待ちしております」
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