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③飯テロをしますかね~?-3-
しおりを挟む次の日の朝
「パンに葉野菜とチーズとピンクの肉・・・ナオミさんの故郷ではハムと言うのだったか?それを挟んだサンドイッチとコーヒーが美味かった」
「あたしはパンに卵を挟んだサンドイッチが好きだな~」
「お世辞でもその言葉は嬉しいです。皆さんと行動を共にしている間は私が料理を担当してもいいですか?」
「「「「よろしくお願いします!!!」」」」
奈緒美の申し出に四人は一斉に頭を下げる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ん~っ・・・
(空気が美味しい~)
秋から冬の訪れを感じさせる冷たくて、だが澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んでいる奈緒美の瞳に映るのは、舗装されていない道を進む幌馬車に、収穫した野菜や果物が入った籠を載せた荷馬車。
のんびりと穏やかに流れる時間というのは、忙しない日本では感じる事が出来なかったような気がする。
奈緒美がそんな事を思いながら歩いているその時、巨大な猪が現れた。
「マウンテンボアか・・・」
「肉が食べられるのは嬉しいのよ?」
「でも、何て言えばいいのかな~?ボアの肉って独特の臭みがあるからね~」
「幸いな事にビッグラビットの肉がまだ残っているから、マウンテンボアに関しては牙と毛皮だけではなく肉も冒険者ギルドに売ればいいんじゃないの?」
マウンテンボアの肉が苦手なので冒険者ギルドに売ろうと言ったバーナード達に、ちゃんと下処理をすれば猪の肉独特の臭みはなくなるし、自分の故郷の料理であるぼたん鍋を皆にご馳走したい。
奈緒美の言葉が聞こえたブルーノは、ぼたん鍋とはどんな料理なのかを尋ねる。
「味噌という調味料で猪の肉を煮込んだ料理です。寒い時期とか夜に食べると身体が温まりますよ」
味噌が何なのかバーナード達には分からない。
だが四人は奈緒美の作る料理が美味しい事を知っている。
「「「「ぼたん鍋ーーーっ!!!」」」」
ぼたん鍋を合言葉に、バーナード達は目をギラギラさせながら一瞬でマウンテンボアを倒してしまった。
「「「「ナオミさん!ぼたん鍋が食べたい!!!」」」」
「い、猪の肉の臭みを消すには一晩酒に浸けておかないといけないので明日の夜にでも・・・」
(こ、恐い・・・)
美味しい料理に飢えているバーナード達の迫力に負けてしまった奈緒美は、明日の夜には必ずぼたん鍋を食べさせる事を宣言するのだった。
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