異世界召喚に巻き込まれたエステティシャンはスキル【手】と【種】でスローライフを満喫します

白雪の雫

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②スキル【手】と【種】がチートだった-3-

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 「す、凄い・・・」

 一分もしないうちに奈緒美の目の前には砂金と幾つかのナゲットが入ったカプセルが出現したのだ。

 売る砂金を入れる容器は布袋でいいと思った奈緒美は袋の種で布袋を出すと、カプセルに入っていた砂金をそれに移す。

 「あれ?このリュック・・・〇次元ポケットになってる?」

 砂金が入った袋を通勤に使っているリュックに入れようとファスナーを開けたその時、リュックが異空間?のようなものになっていた事に気がついた奈緒美が声を上げる。

 これも異世界召喚に巻き込まれた結果なのだろうか?

 それとも異世界召喚による付与って奴なのだろうか?

 (・・・・・・・・・・・・)

 深く考える事を放棄した奈緒美はスマホの設定を開いて換金用として砂金だけではなくダイヤモンドと真珠、ミネラルウォーター、調味料、米・パン・肉・魚・野菜といった食材、喫茶店で売っていそうな出来立てのサンドイッチとケーキ数種類、インスタントコーヒーにインスタントティーとスープ、鍋に包丁・皿にマグカップといった調理道具に食器一式、入浴セットや自分が愛用している化粧品一式、毛布、タオル等。

 自分が思いつく限りの旅に必要な道具の種を出して栽培した後、それ等をリュックに入れた奈緒美は人里を目指して進む。

 と言いたいところだったが・・・・・・・・・・・・よく考えなくても奈緒美はこの世界について何も知らない。

 道に迷ってしまいどうしようかと悩んでいる奈緒美の瞳にキャンプをしている人達の姿が映る。

 長剣を背負っている重装備の男性に杖を手にしているフードを被っている女性、皮の胸当てを着けている槍使いの男性にラフな格好をしている女性だった。

 彼等は盗賊なのだろうか?

 それとも冒険者なのだろうか?

 盗賊は悪人面&無精ひげ&毛皮を纏っているというのがお約束だ。

 そんな要素がないので冒険者と判断した奈緒美は彼等の元に近づいて行った。

 「君は?」

 「私はサファイアス帝国から遠い場所に在る、地図にも載らない小さな島から来た奈緒美と申します。実は・・・過疎化が進んで誰も居なくなった故郷を出て新天地を目指しているのですが」

 この世界の平民は苗字がないと思うので名前だけを名乗った奈緒美は、道に迷ってしまったのでここから一番近い町まで同行させて欲しいと頼んだ。

 見知らぬ人間である奈緒美に対して警戒していた彼等だが、彼女の動き?雰囲気?が戦いの世界に置いていない人間のものだと判断したのだろう。

 奈緒美の言葉を信じたのかどうか分からないが、彼等はパールディア王国にあるアームズの町まで共に行動する事を承諾してくれた。











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