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②スキル【手】と【種】がチートだった-1-
しおりを挟む三人の女子高生に巻き込まれてサファイアス帝国に召喚されてしまった奈緒美。
魔力は膨大だがスキルが【手】と【種】という意味不明なものだという理由で、一般常識も何も知らない且つ無一文で奈緒美は皇宮から放り出されてしまう。
こんな状況でなければ、絵本の世界に迷い込んでしまったかのような、中世ヨーロッパを思わせるファンタジー風景を楽しめただろう。
「私、柔道と空手と剣道の有段者だけど・・・それが異世界で通用するかどうかの見当がつかないのよね」
キラキラネームなツインテールのようなチートがあれば、日本では自衛隊だったという過去があればそれを活かして冒険者にでもなろうと思うのだが、エステティシャンだった奈緒美はどうやって生きて行くべきかを考える。
「そもそも【手】と【種】ってどういうスキルなのかしら?」
当事者である自分だけではなくサファイアス帝国側にも分からないスキルがどういうものなのかを確かめようと、奈緒美は『ステータス』や『ステータスオープン』と唱えてゲームで言うところのステータスウィンドウを出そうとするのだが・・・出現しなかった。
「運転免許証であればスキルの事が書いているとか・・・そんな訳あるはずがないか」
リュックから財布を取り出した奈緒美は僅かな可能性をかけて自分の運転免許証に目を通して見たが、やはりと言えばいいのか、スキルについては何も書いてなかった。
「スマホだったら水晶玉のようにステータスを見れるとか?」
リュックに入っていたスマホを取り出した奈緒美は、まずスマホが使えるかどうかの確認をする為に電源を入れる。
「あれ?100%に充電されてる?バッテリーの残量は70%だったのに?」
疑問に思ったけど今はスマホが使えるかどうかの確認が先だ。
当然と言えばいいのか通話は圏外だから電話は通じないし、マップやLINEとかのアプリは開かない。
自分のプロフィールだったら見れるのではないか?と思った奈緒美は設定をタップしてみる。
電話番号やインストールしているアプリが何なのかは見れるのだけど、そこには見覚えのない文字があった。
ステータス
何でこんなものが?と疑問に思ったけど、この【ステータス】こそがマティアスとやらが言っていたスキルを確認できるのではないか?と思った奈緒美がタップしてみると【手】と【種】が表示された。
手?
種?
それぞれの文字をタップしたら意味が分かるのでは?と思いタップすると・・・
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