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4話
しおりを挟むガブリエルを攫った山賊を排除する為の討伐隊が組まれた。
隊の指揮をするのはヒルデガルトだ。
女が指揮官というのは兵士達から反感を買いそうなのだが、ヒルデガルトは兵士と同じ粗末な食事を摂るだけではなく、実力もあった。
兵士の悩みや相談にも乗ったりするので『姐さん』や『姐御』と呼ばれるくらいに慕われていたし、何より『卑怯者相手に私は退かぬ!!』という、ある意味脳筋気質なところもあったので全然問題がなかった。
・・・・・・兵士達って脳筋なところがあって、そういう人が好きだからね~。
「姐さん!行きやしょう!!」
ヒルデガルトと兵士達が脳筋的な感じで盛り上がっている頃
「これ・・・本当に王子、なのか?」
王家に身代金を要求しようとしていた山賊達はというと、どこからどう見てもお姫様としか思えないガブリエルにちょっと・・・いや、かなり引いていた。
「ぼ、僕・・・」
(た、助けて・・・ヒルダちゃん!あれ?もしかして、今の僕って魔王に攫われたお姫様ポジ?)
「ヒルダちゃん・・・」
(///ω///)テレテレ♪
山賊達に王子なの?と疑問を抱かれている当のガブリエルはというと、恐怖で震えていた。・・・ではなく、何か恍惚の表情を浮かべて魔王に攫われたお姫様になりきっていた。
お姫様になりきっているガブリエルがヒルデガルトの助けを待つ事暫く
「ガブリエル殿下!」
「ヒルダちゃん♡」
勇者のように颯爽と現れたヒルデガルトに喜びを隠せないガブリエルは破顔していた。
「お、お前達のような悪い山賊はヒルダちゃんが倒すんだからね!!」
自分では倒さず、姐御に倒させるんだな・・・
こんなのが未来の旦那という事実に、ヒルデガルトと共に山賊のアジトに乗り込んだ兵士達は心の底から彼女が気の毒だと思った。
中には〇田泣きする兵士さえ居るくらいだ。
正規の訓練を積む事なく農民や弱者を襲う山賊と、戦場を潜り抜けて生き抜いた王国軍の兵士とでは強さのみならず練度は比べ物にならない。
ヒルデガルトの的確な指揮、そして先陣に立って鬼神の如く敵を屠っていく中、兵士達もまた山賊を始末していく。
「ガブリエル殿下・・・」
(っ!)
「ヒルダちゃん!?」
「姐さん!」
「姐御!」
ガブリエルの元に駆け寄り彼を縛っていた縄をナイフで切っていたからなのか、油断していたヒルデガルトは傷を負いながらも何とか意識のあった山賊が投げたナイフを肩に受けた事で意識を失ってしまった。
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