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しおりを挟む「ヒルダちゃん。君を護る為に僕は生まれ変わったんだよ?だから・・・僕と結婚して!!!」
グリーンローズ公爵家を訪れたのは、ベルガモット王国の第二王子にして彼にヒルダと呼ばれた女性の婚約者であるガブリエル。
二年前までのガブリエルは可愛い顔立ちに華奢で小さな身体、声に言葉遣い、仕種に加えて常にドレスを着てお姫様のように振る舞っていた。
ダンスだって女性パートしか踊らなかったのだ。
そんな彼は、王子様ではなく王女様だと言っても良かった。
それが──・・・。
(お父様、お母様、ユミルお兄様、ロキお兄様!こんなのを前にしている私はどう答えたらいいの!?)
(ち、父上・・・。は、母上・・・。ヒルダが助けを求めています)
(や、やはりここは家族として・・・助けるべきでしょう)
(そ、そうよね?ロキの言う通り、助けないといけないわよね・・・?)
(だが、第二王子の変貌ぶりに・・・)
ガブリエルからヒルダちゃんと呼ばれたヒルデガルトはアイコンタクトで四人に助けを求めるが、両親と兄達はというと───第二王子と顔を合わせないように目を背けて必死で笑いを堪えていた。
ヒルデガルトが助けを求め、彼女の家族が笑いを堪えているのには理由があった。
それは──・・・。
男の娘な王子だったガブリエルがゴリマッチョになっていたからだ!
それだけだったらガブリエルも反省して成長したのだな~と思うだけなのだが、何と言えばいいのだろうか。
アンバランスと言えばいいのか、シュールと言えばいいのか・・・。
何かこう・・・気持ち悪いのだ!!
いや、ギャグと言ってもいいのかも知れない。
だって、身体は筋骨隆々だというのに小柄で、しかも顔立ちと雰囲気、言葉と仕種が昔と全く変わっていなかったのだから。
(あのガブリエル殿下がここまで変わるなんて・・・)
ヒルデガルトはガブリエルの婚約者として過ごしていた過去を思い出す。
※ガブリエルですが、某世紀末覇者のように2m超えではありません。男の娘なのに身体つきだけは某世紀末覇者を思い浮かべて下さい。
ヒルデガルトは、顔立ちと髪の色は違うけど18世紀後半のフランスを舞台にした某少女漫画の主人公に雰囲気が似ています。
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