なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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第45話

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「今日は何もしないの?」

空は晴天。
窓から部屋に暖かい日差しが入り込んでいる。

「うん。たまには休息日を作らないと。楽器も休めてこまめにメンテナンスしなきゃ本番で壊れるなんてことがあるかもしれないしね」

「そっか」

ヒカルはソファに身を任せて身体を伸ばした。

ヒビキとシュウゴはトレーニングルームに行ってるし、カズヤは部屋で勉強していた。

「はぁー、こうのんびりしてると暇なんだよなぁ」

暇、か。
確かにそうだな。ほぼ毎日暇だったから色々飽きないようにしていたんだが。

「ねぇねぇ姫ちゃん」

「何?」

「髪、いじっても良い?」

「切るの?」

「いや違うよ。流石にハサミは持って来てないし、折角伸びて良い感じになってるのに切るつもりはないよ。ヘアアレンジがしたいだけ」

ヘアアレンジか。
今の髪も結構気に入っているというか、慣れたというか、そんな感じなのだが。

「、、、いいよ」

「やった!どうしようかなぁ~♪」












〆◾️〆◾️〆◾️〆













「出来た!」

手鏡を渡されて覗き込むと、まぁ、見事にアレンジされた自分の髪が写り込んでいた。

「ワァオ」

思わず声が出てしまう。

全体的にフワリと巻かれていて、左右で一本ずつ編み込みがされていた。
編み込みにはどっから取り出したのか、緑色のリボンが一緒になって編み込まれていた。

「あらあらあら」

「あ、アヤさん」

眼をキラキラさせてやってきたアヤさんは足早に近づいてきて笑いながら言った。

「、、、私の服、着てみてもらえないかしら」

「え?」

「おお~、良いですね。カズヤも呼んでメイクもしてもらおうよ、姫ちゃん。アヤさん、化粧品も貸して頂けますか?」

「え?」

「いいわよ!モデルごっこね!」

「よし!カズヤ呼んでくる!」

「マジかよ、、、」












〆◾️〆◾️〆◾️〆












呼ばれたカズヤにメイクされ、アヤさんによって服を着せられて、なんかもう着せ替え人形みたいになっていた。

「これはこれは、、、まさかここまで化けるとは」

「今の、結構ナチュラルだよね?それでこのクオリティ?やばい」

唸るヒカルとカズヤと反対に、鏡を持って嬉しそうに見てくるアヤさんはもう声が出ていなかった。

「、、、女じゃん」

鏡の中には、女性がいた。
自分の筈なのに、自分に思えないレベルの。

メイクと服だけでこんなに変わるのかよ。

「え、可愛い。普通に彼女にしたいんだけど。写真撮っても良い?」

ヒカルがAIパットを取り出してカメラを向けてくる。

「ネットに流さないなら」

「流さないよ!てか、これは流せない!可愛すぎるもん、誰にも見せたくない!」

声を荒げながら、カシャカシャと連写音を出すヒカルに若干引いてしまう。

「ヒカル、後でその写真送って頂けますか?待ち受けにします」

真顔でいうカズヤにびっくりした。

アヤさんの服は落ち着いた色の物が殆どだった。
アヤさんがチョイスしたのはリボンに合わせた緑色のワンピース。濃くもなく、薄くもない丁度いい色合いの上品な物。
それに黒タイツと蝶々モチーフのネックレスとイヤリングを組み合わせたコーデだ。

「姫ちゃん、ポーズ取って」

「え、どんな風に?」

「取り敢えず、ソファでゆったりしてみて」

言われた通りソファに座り、力を抜く。
すると再びシャッター音が鳴った。

、、、何が楽しいんだよ。
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