58 / 61
第45話
しおりを挟む
「今日は何もしないの?」
空は晴天。
窓から部屋に暖かい日差しが入り込んでいる。
「うん。たまには休息日を作らないと。楽器も休めてこまめにメンテナンスしなきゃ本番で壊れるなんてことがあるかもしれないしね」
「そっか」
ヒカルはソファに身を任せて身体を伸ばした。
ヒビキとシュウゴはトレーニングルームに行ってるし、カズヤは部屋で勉強していた。
「はぁー、こうのんびりしてると暇なんだよなぁ」
暇、か。
確かにそうだな。ほぼ毎日暇だったから色々飽きないようにしていたんだが。
「ねぇねぇ姫ちゃん」
「何?」
「髪、いじっても良い?」
「切るの?」
「いや違うよ。流石にハサミは持って来てないし、折角伸びて良い感じになってるのに切るつもりはないよ。ヘアアレンジがしたいだけ」
ヘアアレンジか。
今の髪も結構気に入っているというか、慣れたというか、そんな感じなのだが。
「、、、いいよ」
「やった!どうしようかなぁ~♪」
〆◾️〆◾️〆◾️〆
「出来た!」
手鏡を渡されて覗き込むと、まぁ、見事にアレンジされた自分の髪が写り込んでいた。
「ワァオ」
思わず声が出てしまう。
全体的にフワリと巻かれていて、左右で一本ずつ編み込みがされていた。
編み込みにはどっから取り出したのか、緑色のリボンが一緒になって編み込まれていた。
「あらあらあら」
「あ、アヤさん」
眼をキラキラさせてやってきたアヤさんは足早に近づいてきて笑いながら言った。
「、、、私の服、着てみてもらえないかしら」
「え?」
「おお~、良いですね。カズヤも呼んでメイクもしてもらおうよ、姫ちゃん。アヤさん、化粧品も貸して頂けますか?」
「え?」
「いいわよ!モデルごっこね!」
「よし!カズヤ呼んでくる!」
「マジかよ、、、」
〆◾️〆◾️〆◾️〆
呼ばれたカズヤにメイクされ、アヤさんによって服を着せられて、なんかもう着せ替え人形みたいになっていた。
「これはこれは、、、まさかここまで化けるとは」
「今の、結構ナチュラルだよね?それでこのクオリティ?やばい」
唸るヒカルとカズヤと反対に、鏡を持って嬉しそうに見てくるアヤさんはもう声が出ていなかった。
「、、、女じゃん」
鏡の中には、女性がいた。
自分の筈なのに、自分に思えないレベルの。
メイクと服だけでこんなに変わるのかよ。
「え、可愛い。普通に彼女にしたいんだけど。写真撮っても良い?」
ヒカルがAIパットを取り出してカメラを向けてくる。
「ネットに流さないなら」
「流さないよ!てか、これは流せない!可愛すぎるもん、誰にも見せたくない!」
声を荒げながら、カシャカシャと連写音を出すヒカルに若干引いてしまう。
「ヒカル、後でその写真送って頂けますか?待ち受けにします」
真顔でいうカズヤにびっくりした。
アヤさんの服は落ち着いた色の物が殆どだった。
アヤさんがチョイスしたのはリボンに合わせた緑色のワンピース。濃くもなく、薄くもない丁度いい色合いの上品な物。
それに黒タイツと蝶々モチーフのネックレスとイヤリングを組み合わせたコーデだ。
「姫ちゃん、ポーズ取って」
「え、どんな風に?」
「取り敢えず、ソファでゆったりしてみて」
言われた通りソファに座り、力を抜く。
すると再びシャッター音が鳴った。
、、、何が楽しいんだよ。
空は晴天。
窓から部屋に暖かい日差しが入り込んでいる。
「うん。たまには休息日を作らないと。楽器も休めてこまめにメンテナンスしなきゃ本番で壊れるなんてことがあるかもしれないしね」
「そっか」
ヒカルはソファに身を任せて身体を伸ばした。
ヒビキとシュウゴはトレーニングルームに行ってるし、カズヤは部屋で勉強していた。
「はぁー、こうのんびりしてると暇なんだよなぁ」
暇、か。
確かにそうだな。ほぼ毎日暇だったから色々飽きないようにしていたんだが。
「ねぇねぇ姫ちゃん」
「何?」
「髪、いじっても良い?」
「切るの?」
「いや違うよ。流石にハサミは持って来てないし、折角伸びて良い感じになってるのに切るつもりはないよ。ヘアアレンジがしたいだけ」
ヘアアレンジか。
今の髪も結構気に入っているというか、慣れたというか、そんな感じなのだが。
「、、、いいよ」
「やった!どうしようかなぁ~♪」
〆◾️〆◾️〆◾️〆
「出来た!」
手鏡を渡されて覗き込むと、まぁ、見事にアレンジされた自分の髪が写り込んでいた。
「ワァオ」
思わず声が出てしまう。
全体的にフワリと巻かれていて、左右で一本ずつ編み込みがされていた。
編み込みにはどっから取り出したのか、緑色のリボンが一緒になって編み込まれていた。
「あらあらあら」
「あ、アヤさん」
眼をキラキラさせてやってきたアヤさんは足早に近づいてきて笑いながら言った。
「、、、私の服、着てみてもらえないかしら」
「え?」
「おお~、良いですね。カズヤも呼んでメイクもしてもらおうよ、姫ちゃん。アヤさん、化粧品も貸して頂けますか?」
「え?」
「いいわよ!モデルごっこね!」
「よし!カズヤ呼んでくる!」
「マジかよ、、、」
〆◾️〆◾️〆◾️〆
呼ばれたカズヤにメイクされ、アヤさんによって服を着せられて、なんかもう着せ替え人形みたいになっていた。
「これはこれは、、、まさかここまで化けるとは」
「今の、結構ナチュラルだよね?それでこのクオリティ?やばい」
唸るヒカルとカズヤと反対に、鏡を持って嬉しそうに見てくるアヤさんはもう声が出ていなかった。
「、、、女じゃん」
鏡の中には、女性がいた。
自分の筈なのに、自分に思えないレベルの。
メイクと服だけでこんなに変わるのかよ。
「え、可愛い。普通に彼女にしたいんだけど。写真撮っても良い?」
ヒカルがAIパットを取り出してカメラを向けてくる。
「ネットに流さないなら」
「流さないよ!てか、これは流せない!可愛すぎるもん、誰にも見せたくない!」
声を荒げながら、カシャカシャと連写音を出すヒカルに若干引いてしまう。
「ヒカル、後でその写真送って頂けますか?待ち受けにします」
真顔でいうカズヤにびっくりした。
アヤさんの服は落ち着いた色の物が殆どだった。
アヤさんがチョイスしたのはリボンに合わせた緑色のワンピース。濃くもなく、薄くもない丁度いい色合いの上品な物。
それに黒タイツと蝶々モチーフのネックレスとイヤリングを組み合わせたコーデだ。
「姫ちゃん、ポーズ取って」
「え、どんな風に?」
「取り敢えず、ソファでゆったりしてみて」
言われた通りソファに座り、力を抜く。
すると再びシャッター音が鳴った。
、、、何が楽しいんだよ。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

聖獣達に愛された子
颯希
ファンタジー
ある日、漆黒の森の前に子供が捨てられた。
普通の森ならばその子供は死ぬがその森は普通ではなかった。その森は.....
捨て子の生き様を描いています!!
興味を持った人はぜひ読んで見て下さい!!

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる