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第44話

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「はいはーい。まだまだあるからいっぱい食べてね」

アヤさんはそう言って、今日もまた沢山の料理をテーブルに並べた。

合宿中、アヤさんは僕達の身の回りの事をしてくれている。料理、洗濯、掃除などなど。
嫌じゃないのかな?と思って聞いてみたら

『楽しいわよ。嫌どころか、こんなに元気な高校生と一緒に過ごせるなんて嬉しいくらいよ。私ね、子供ができない体だから尚更。ユウ君も甘えてくれて良いわよ♡』

と、さらっと答えた。

「うわぁ~、美味しそう!」

「今日もスゲェ種類だな!」

ハルキさんから聞いた話によれば、アヤさんの前職は料理人だったらしい。
その為か、テーブルに並ぶ料理は一流レストラン並みの見た目と味を誇っている。

「じゃあ、いただきましょう」

「「「「「「いただきます」」」」」」

ハルキさんも一緒に声を合わせて、その後みんなすぐに料理に向かって箸が伸びた。
他の4人は食べ盛りの時期だからか、多すぎる料理があっという間に彼らのお腹の中へと消えていく。

ちなみに、本日の夕食は

・ハンバーグ
・エビフライ
・ミニオムレツ
・グリル野菜の盛り合わせ(三種のソース付き)
・サーモンサラダ
・コーンスープ
・焼き立て白パン
・ヨーグルトムースのベリーケーキ

、、、ほら、レストランでしょ。

「ユウ君、はいこれ」

サラダを食べていると、取り皿にハンバーグとエビフライを乗せたアヤさんが僕にそれを渡してきた。

美味しい、美味しいんだけれども、、、。
肉より魚、、、魚より野菜なんだよなぁ。

そう思いながら、モソモソと食べ進めているとヒョイっと正面からフォークが伸びてきて、皿にあったエビフライを拐っていった。

「あっ」

「フンッ、トロトロ食べてんのが悪りぃんだよ」

シュウゴが勝ち誇ったようにエビフライにかじりついた。
その姿が妙に腹が立って、シュウゴのサラダからサーモンだけをとって食べてやった。

「フン」

「あっ!姫、おい!」

「シュウゴが悪い」

「んにゃろ~!」

「はいはい、そこまで。2人とも行儀が悪いですよ、全く。それからシュウゴ、今回はあなたが悪いですよ、9割程」

「9割って、ほぼじゃねぇか」

「ハハハ、シュウゴってばダッサーイ」

「なんだとヒカル!」

喧嘩を始めた2人にヒビキは少し嫌な顔をしてフォークを皿に置いた。

「お前ら、食事くらい静かにしろよ」

「あなたの割には良い事を言いますね」

「馬鹿にしてんのか、お坊ちゃんよ」

「いいえ?純粋な褒め言葉ですよ」

「ハッ、そうは聞こえねぇな」

「あなたの耳がおかしいのでは?」

「口を開けばベラベラと、、、」

うん、騒がしいな。

でも、楽しい。

こんな食事、、、ずっと続けば良いのに。

美味しいもの食べて、みんなで笑って。

、、、やっぱり良いな。











〆◾️〆◾️〆◾️〆












『ユウイチにいちゃん、このパンおいしいね』

『ユウイチにぃ、聞いて!今日ね、学校でね』

あの孤児院の子たちは、、、今どうしてるんだろうか?
元気にしているのかな?

僕が死んだ後、どうなったんだろう、、、。












〆◾️〆◾️〆◾️〆











「姫ちゃん?」

ヒカルの声で一気に現実に引き戻される。

「何?」

「大丈夫?急にボーッとしてたけど」

「んぁ、なんか、眠くなってきて」

「せめてハンバーグは食べなよ」

「わかった、、、ヒカルまでカズヤみたいな事言わないでよ」

「フフッ、ごめん」

あぁ、今はいっか。

いまさらユウ・・だから。

ユウイチだった頃の記憶は、後で。

後で、、、いい。
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