なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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第41話

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楽しい時間ほど流れる時間は早く感じるもので、あっという間に合宿の半分程が過ぎた。

「広っ、、、」

ホテル並みに広く、美しい檜の露天風呂で1人朝から入る。
なんて贅沢なのだろうか。

「ふぁ、、、」

大きく伸びながらゆったりとする。

今日は何をしようかな、、、。

1日に1回しか歌えないので、とにかく日中は暇になる。
ユキと特訓したり、昼寝したり、アヤさんと料理したり、軽い運動したりと、まあ色々飽きないようにやっている。
最近はヒビキがオススメしてくれたゲームをAIパットにダウンロードしてやり始めた。
もちろん、勉強もしている。
参考書を数冊持ってきているので、気分転換に数ページずつ進めている。

「取り敢えず、部屋に戻って決めるかな?」

「何をだ?」

後ろから急に掛けられた声にびっくりして振り向くと、頭にタオルを乗っけたシュウゴがいた。

「な、何でいるの?」

「何でって、朝風呂しに来たんだよ。つーか、姫!朝起きるの早すぎるぞ。同じ部屋なんだから目覚ましくらい音下げろ!」

「そんなに怒らなくても」

「、、、そうだな」

珍しい、反論して来ない。

「こんなに気持ちの良い風呂で怒るなんて、やる事じゃねぇよ」

「確かに」

「ふぅ~。疲れが取れるぜ」

「おっさんかよ」

「ちげーよ」

露天風呂で、2人並んで入り込んでくる朝日に顔を歪めながら声を掛け合うのは中々楽しい。

「普段は朝風呂しないの?」

「ん?ああ、寮は基本的に朝は風呂場空いてないんだよ。出来んのは、部屋についてるシャワーくらいだな」

「寮って、どんな感じなの?」

「まぁ、一言で言えば広いかな?4年から1人部屋になるんだが、それ以下は2人から4人部屋になるんだよ」

「みんな一緒?」

「ああ、まあな」

「楽しい?」

「ああ」 

「そっか」

みんな一緒なんだ、、、。
寂しくは無いだろうな。

僕もユキがいるから寂しく無いけど。 

「、、、お前髪伸びたな」

シュウゴは僕の髪に触れてつぶやいた。

「ヒカルに切られてから弄ってないからね」

「そうか、やっぱ長い方が似合うな」

「そう?」

「肌も白いし、、、腰も細い、、、」

ん?

なんか手付きがイヤらしく、、、。

何故、体を触る?

「マジで男なのか?」

いや、マジな顔で何を言ってるんだ?

「男だよ!」

「でもよ、、、こんなに綺麗な男、あんまりいないと思うぞ。女だろ、確実に」

近づいてくるシュウゴに若干の恐怖を覚えながら風呂の中で後ずさっていく。

「逃げんなよ」

腕をとられて、そのままシュウゴの元に引かれた。
バランスを崩して、身をシュウゴに預ける形になってしまった。

「、、、、、、、、離せよ」

「どうしょっかな」

「ヒカルみたいに言わないで」

「何もしねーよ、何も」

本当かよ、、、。

「その顔は信用してねーな。どんだけ俺のこと嫌ってるんだよ」

「別に」

「メンバーの中でだれが一番好きだ?」

「ヒカル」

「即答かよ、、、理由は?」

「安全だから」

「なんだそれ、カズヤは?」

「安全だけど、体重増やしなさいって最近うるさいから」

「ヒビキは?」

「普通」

「俺は?」

「、、、、、、、、」

「何か言えよ」

「怒ると怖い、面倒くさい」

「、、、どうやったら、好きになる?」

なにを聞いてくるんだ、コイツは。
どうやったら?
ふざけてるのか?

「何でそんなこと聞くの?」

ギュウと抱き寄せるシュウゴの力が強くなって、シュウゴは僕の耳元で話し始めた。

「俺ら、チームだろ」

「そうだね」

「怖がられてちゃ、チームワークなんてものはあっという間に崩れ落ちるから、、、」

「怒ると怖いだけだよ」

「そうかよ」

「このチームは好きだから安心しなよ。それに、シュウゴの全部が全部嫌いなわけじゃ無い」

「そうかよ」

「あと、そろそろ離して」

「嫌だって言ったら?」

「後ろで殺意丸出しのカズヤとヒカルとヒビキに助けを求めるかな?」

「えっ?」

恐る恐る、ゆっくりと。
扉の方に向かって首を回すシュウゴは風呂に入っているにもかかわらず、真っ青になっていた。

「さて、何故抱き合っているのかご説明願えますか?リーダー?」

「ッ、いや、色々事情が、」

「シュウゴが姫ちゃんとお風呂だけでも罪深いのに?抱き合ってる?姫ちゃんが汚れるだろ?今すぐに離れろ、この犯罪者!」

「おーい、シュウゴ。俺に内緒で2人イチャイチャ何してんだ。俺でも怒るぞ」

ワァーオ。
見事な殺気と罵詈雑言。

「おい、助けろ」

「ご自分でどうにかしてくださいな、リーダー」

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