なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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第35話

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ハルキさんの言った通り、《ヘルメス》には高い建物は一切無く、その代わり一目見て高級だとわかる一戸建ての家が建ち並んでいた。

「なんか、落ち着いてるな」

「うん、確かに」

隣から声がして振り向くと、眼をぱっちり開けたヒカルがこっちを見ていた。

「ヒカル、起きたんだ。いつから?」

「ついさっき」

「そっか」

この町は北西部を大きな森と山脈が占めていて、物流など出たり入ったりする事は全て南東で行われているらしい。

「もうすぐ着くから、他の子も起こしてくれるかい?」

「はーい」

「わかりました」

「アヤ、アヤ、起きてくれ」

森に入って数分後、車は静かに止まった。
みんなで外に出てみると、見事なウッドハウスがそこにはあった。

「でかいな、やっぱり」

写真で見た時も思ったが、もう流石としか言いようがない。

「降りたらどんどん荷物を後ろから取り出してくれる?ガレージに車、入れなくちゃいけないみたいなのよ」

「はい、わかりました」

まだ若干寝ぼけているメンバーと一緒になって荷物を取り出していく。
取り敢えず全部車から出したら、ハルキさんはガレージに車を移動させてシャッターを閉めた。

「じゃ、今鍵を開けるから待っててくれるかい?中に入って真っ直ぐ進めばリビングだから。後、リビングに付いてる扉のどれかがスタジオだから楽器を入れといてもいいよ」

「ドラムの子は誰?」

「あ、私ですが、、、」

「荷物多いから、手分けしていっぺんに持って行きましょうか。ほら、みんな持って持って」









〆◾️〆◾️〆◾️〆










ウッドハウスは地下付き3階建だった。
地下が物置、トレーニングルーム、シャワールームで、1階がリビング、キッチン、レコーディングルーム、防音スタジオ、2階が寝室になっていた。
3階はなんと大浴場、しかも露天風呂付き。

「なんかもう、リアクションもしづらくなったな。姫ちゃんだから、で全部片付いちゃう」

「そう?」

「そう?じゃない気がするぜ、お姫様。色々規格外過ぎるのも程々にしろよ。まぁ、今回は感謝してるけどよ。取り敢えず、楽器は全部スタジオに入れちまおう。どこがスタジオだ?」

「これだね」

リビングの右側にある扉を開くと、普段使っている2倍はあるスタジオが視界に広がった。

「ヒュ~♪最高だな」

「予想以上だな」

「おっ、シュウゴ。確かにこれなら安心して練習に打ち込めるな」

そう言うと、シュウゴとヒビキは自分の楽器をスタジオに運び込んだ。それに続いて、ヒカルとカズヤもスタジオに入った。

「広いなぁ」

リビングに置いてあった柔らかいソファに身を預けてボンヤリとする。

『そうだね』

びっくりした、、、。

『あはは、ごめんイチ兄。でもさ、本当に広いね。ここで1ヶ月、みんなと1つ屋根の下だ』

1ヶ月、、、。
不安だけど、頑張るよ。

『頑張れ!』

「なーに1人で笑ってんだよ、気持ちわりぃ」

シュウゴがこちらを見て言った。

「いや、楽しみだなって」

「そーかよ」

「そういえば、この合宿でどんな事するの?」

「あー、ダイフェスに向けて出場チームは絶対にしなくちゃいけねぇ事があるんだよ。それをする」

「それって?」

「それは僕が説明しますよ。とてもシュウゴの適当過ぎる説明では理解出来ないと思いますから」

「なるほど」

「納得するな!!」
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