なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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side・ユキ

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スヤスヤと、スヤスヤと。
寝息をたてて、静かに眠るイチ兄は、僕が起きていることを知らない。

ここは、雪村ユウの中で、神様が僕にくれた場所。

イチ兄の中は暖かい。
ポカポカしてる。
優しいからかな?

イチ兄は優しくて、頼もしい。
本当に双子として、隣にイチ兄がいて過ごしていたら、また違った時を過ごしていたんだと思う。

『性的暴力』ってイチ兄は言った。

僕はイチ兄より、頭は良くない。
難しいことはわからない。
でも、この言葉の意味はわかる。

だって、この言葉を言ったイチ兄。
すごく、冷たくなった。
ポカポカが消えた。

何か、黒くて怖くて冷たいものが押し寄せてきた。

それが記憶なのかはわからないけど、イチ兄にも怖いものがあったのはわかった。

もしかしたら、イチ兄の優しさはそこから産まれたのかもしれない。

ねぇ、イチ兄。
僕はね、ずっとイチ兄の味方。

イチ兄が、僕の味方になってくれたみたいに。
守ってあげる。
身体は守れないけど、心を。

冷たくなんかさせないから。
暖かいままの心でいさせてあげるから。

そんな、辛そうな顔しないでよ。

笑顔が一番だよ。

ねぇ、イチ兄。

「、、、明日から楽しみだね。イチ兄の歌、僕はすごく楽しみだよ。だから、ね?嫌な事、全部忘れて良い夢見て、明日を待とう」

ねぇ、イチ兄。

「大好きだよ」

ねぇ、イチ兄。

「おやすみ、、、良い夢を」
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