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side・鳥海ヒビキ
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「おせーなぁ」
スタジオ前、9時。
いつも5分前には必ずいるお坊ちゃんとヒカルンがいない。
まぁ、今回はお姫様とご一緒にらしいから遅くなるのかもしれねぇけど。
、、、隣のシュウゴが機嫌悪くなるから早く来てくれよマジで。
「何してんだよ、アイツら」
歯をくいしばりながらシュウゴがうなり始め、ブツクサと文句を言っていく。
「ごめーん」
そんな声が聞こえて顔を向けると、制服のままヒカルンとお坊ちゃんが走ってきた。
ヒカルンの手が後ろに回ってるって事はお姫様もいるってことか。
「おせーよ!」
「ごめんって!色々あったんだよ」
「ふーん、色々ってなんだよ」
俺が聞くと困ったように苦笑いしながらヒカルンは説明した。
「姫ちゃんの服を買ってたの」
「服?どーゆー事だ?」
お坊ちゃんの背に隠れて見えなくなってるお姫様に目を向けると、そこにいたのは何というか一言で言うと、『女子』だった。
スポーツスパッツの上に黒の短パン、いつものフード付きパーカー、後紺のスポT。
髪は1つにまとめてゆったりと肩に流してる。
大きめのリュックにはタオルとかが入ってるんだろうなと思った。
「姫ちゃん、学校ジャージで行こうとしたからショップによって買ってから来たの」
「学校ジャージ、、、」
スパッツがピッタリしているせいか、華奢な身体が目立って余計に女らしく見える。
「、、、うわぁ」
流石のシュウゴも絶句、というか呆然とするレベルの美女がそこにいた。
「その後、カメラを持った人達が群がってきましてね、ここまで言えばわかりますよね。ここに来るまで、いつも以上に時間がかかりまして」
もう既に疲れているお坊ちゃんですら言葉を濁した。うん、わかる。お姫様がフード被ってるのはそのせいなんだろ。
「何はともあれ、全員揃ったのですから練習を始めましょう」
「そうだね」
〆◼️〆◼️〆◼️〆
全部で防音ルームが20あるスタジオ【ミラージュ】は会員制だ。
1回5000円で予約して使う。
曜日契約も出来て、それは月5万5000。
俺らのチームは入学してからすぐに利用させてもらっている。
「やぁ、皆さん。先週ぶりで」
受付で顔を出したのは店長の澤村さん。
名札に『澤村』としか書いてないから、それ以外は何も知らない。
「店長も元気そうだな」
チームのリーダーとしてシュウゴが店長と話していく。
「えぇ、えぇ、元気です。本日は14ルームですので鍵はこれをお使いください」
「わかった」
「ところで、そちらのお方は?」
店長が指差したのはお姫様だった。
「新メンバー、会員証作ってもらえるか?」
「なるほど、もちろんですよ。もしかしてボーカルですか?」
「あぁ」
「そうですか、そうですか。では、こちらに記入を。入会金として5000円頂きます」
「あ、はい。わかりました」
受付に近づいてお姫様は紙に記入を始める。
「5000でしたっけ?」
「はい」
AIパットを取り出してレジにかざすとポロンとなんともまあ間抜けな音がした。
電子マネーってほんと便利だよな。
人類の進化、こえー。
「はい、これで大丈夫です。こちらが会員証になりますので無くさないように気をつけてくださいね」
「どうも」
「終わったか?」
俺が声をかけると、コクリと頷いて会員証をリュックへとしまった。
その動作すら可愛いんだよなぁ。
何でこんなに女っぽいんだよ。
はぁ、彼女にしてぇ。
スタジオ前、9時。
いつも5分前には必ずいるお坊ちゃんとヒカルンがいない。
まぁ、今回はお姫様とご一緒にらしいから遅くなるのかもしれねぇけど。
、、、隣のシュウゴが機嫌悪くなるから早く来てくれよマジで。
「何してんだよ、アイツら」
歯をくいしばりながらシュウゴがうなり始め、ブツクサと文句を言っていく。
「ごめーん」
そんな声が聞こえて顔を向けると、制服のままヒカルンとお坊ちゃんが走ってきた。
ヒカルンの手が後ろに回ってるって事はお姫様もいるってことか。
「おせーよ!」
「ごめんって!色々あったんだよ」
「ふーん、色々ってなんだよ」
俺が聞くと困ったように苦笑いしながらヒカルンは説明した。
「姫ちゃんの服を買ってたの」
「服?どーゆー事だ?」
お坊ちゃんの背に隠れて見えなくなってるお姫様に目を向けると、そこにいたのは何というか一言で言うと、『女子』だった。
スポーツスパッツの上に黒の短パン、いつものフード付きパーカー、後紺のスポT。
髪は1つにまとめてゆったりと肩に流してる。
大きめのリュックにはタオルとかが入ってるんだろうなと思った。
「姫ちゃん、学校ジャージで行こうとしたからショップによって買ってから来たの」
「学校ジャージ、、、」
スパッツがピッタリしているせいか、華奢な身体が目立って余計に女らしく見える。
「、、、うわぁ」
流石のシュウゴも絶句、というか呆然とするレベルの美女がそこにいた。
「その後、カメラを持った人達が群がってきましてね、ここまで言えばわかりますよね。ここに来るまで、いつも以上に時間がかかりまして」
もう既に疲れているお坊ちゃんですら言葉を濁した。うん、わかる。お姫様がフード被ってるのはそのせいなんだろ。
「何はともあれ、全員揃ったのですから練習を始めましょう」
「そうだね」
〆◼️〆◼️〆◼️〆
全部で防音ルームが20あるスタジオ【ミラージュ】は会員制だ。
1回5000円で予約して使う。
曜日契約も出来て、それは月5万5000。
俺らのチームは入学してからすぐに利用させてもらっている。
「やぁ、皆さん。先週ぶりで」
受付で顔を出したのは店長の澤村さん。
名札に『澤村』としか書いてないから、それ以外は何も知らない。
「店長も元気そうだな」
チームのリーダーとしてシュウゴが店長と話していく。
「えぇ、えぇ、元気です。本日は14ルームですので鍵はこれをお使いください」
「わかった」
「ところで、そちらのお方は?」
店長が指差したのはお姫様だった。
「新メンバー、会員証作ってもらえるか?」
「なるほど、もちろんですよ。もしかしてボーカルですか?」
「あぁ」
「そうですか、そうですか。では、こちらに記入を。入会金として5000円頂きます」
「あ、はい。わかりました」
受付に近づいてお姫様は紙に記入を始める。
「5000でしたっけ?」
「はい」
AIパットを取り出してレジにかざすとポロンとなんともまあ間抜けな音がした。
電子マネーってほんと便利だよな。
人類の進化、こえー。
「はい、これで大丈夫です。こちらが会員証になりますので無くさないように気をつけてくださいね」
「どうも」
「終わったか?」
俺が声をかけると、コクリと頷いて会員証をリュックへとしまった。
その動作すら可愛いんだよなぁ。
何でこんなに女っぽいんだよ。
はぁ、彼女にしてぇ。
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