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第24話

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あ、来たか。
この質問。

さて、どう答えるか。

いや、答える必要は無いか。
ユキの過去を追求してきたんだから。

「答えたくも無いし、思い出したくも無い。ただそれだけだよ」

「事故、トラウマになってるの?」

ハズレではないな。
でも正解でもない。

「答えたくないって言ったよね」

「あ、ごめん」

「いいよ」

少し重い空気が流れてた。
そんな空気を壊したのはカズヤだった。

「気分転換にお風呂でもどうですか?」

「おお!いいね。どうせならみんなで入ろう」

「それは狭くないですか?」

「多分、大丈夫」

浴槽はかなり広いからな。







〆◼️〆◼️〆◼️〆






カポーン。

漫画だったらそんな感じ。
3人入っても余裕のある浴槽には入浴剤で黄色で染まった柚子湯が入っていた。

ヒカルとカズヤが僕を挟むようにお湯に浸かる。

「気持ち~」

「いい香りですね」

「ホッとする」

「あのさ、姫ちゃん」

ヒカルが口を開く。

「さっき、ごめんね」

「いいよって言ったよね」

「でもさ」

「いいの、これで終わり」

「うん」

全て水に流す、ならぬ全てお湯に流す。

ザバリとお湯を顔にかける。
ついでにヒカルにも。
ぶっかける。

「プェッ!!ゲフォ!何すんの!」

「ハッ」

顎を上げて嘲笑う。
見下すように。

「やったなぁ~、そりゃ!!」

僕はお湯に潜り回避。
結果、ヒカルの放ったお湯は全てカズヤに見事にかかった。

「あっ、カズヤごめーん」

顔を半分お湯から出して2人のやりとりを見る。

「全く悪いと思っていませんよね?それ」

笑っているけど、笑ってない。
怒ったな、これ。

「静かに入りなさい!!!」

「わぁ、カズヤが怒った~!」




〆◼️〆◼️〆◼️〆




「2人していい歳なんですから」

結局、お湯をかけ合い見事にのぼせた。
カズヤは平気だったようで、シャワーから冷水を出してヒカルと僕の足にかけてくる。

「姫ちゃんが、悪いよ」

「否定はしない」

ぼんやりする頭を回転させて言葉を返す。

「空気も入れ換えますか?」

「扉開けたら、横に換気扇のスイッチがある」

「わかりました、シャワー持ってて下さい」

カズヤが扉をあけて眼を離した隙に、渡されたシャワーをヒカルに向けた。

「ギャァー!!!」

ヒカルは絶叫した。

、、、面白いなぁ。
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